福島駅前で旬な日本酒を飲み比べ!県民ファンも多い福島観光物産館はこんなところ
最近、福島県の日本酒は全国的に有名になりまして、酒蔵めぐりを楽しみのひとつに来福される方も多いのではないでしょうか。なんといっても、全国新酒鑑評会の金賞受賞数が5年連続日本一!県としても高品質の県産日本酒を、国内のみならず世界に向けてブランディング中です。
もちろん、賞をとらなくてもおいしいお酒はたくさんありますし、そもそも嗜好品ですからね。好みの味を探していろいろ飲み比べるのこそ楽しいわけですが、福島県内には一定規模以上の蔵元だけでも54もあり、数えきれないくらいの銘柄が生産されてます。筆者も県内のお酒を飲み比べるだけで忙しく、他県のお酒はとんとご無沙汰になってしまいましたー f^^;
そんな福島のお酒の飲み比べ、夜の居酒屋に行かなくても気軽にサクッと楽しめる場所があるんですよ。それが、福島駅西口から徒歩3分の福島県観光物産館です。
日本酒コーナーの品揃えは県内最大規模
物産館ですからもともと福島県中の産品を扱っていましたが、2017年12月のリニューアルと同時に日本酒コーナーが大拡充。なーんと、ここでは県内54蔵元すべてから仕入れており、取扱い銘柄は約540にものぼるそう。筆者の住む福島市内にも酒屋さんはたくさんあって、それぞれ独自ルートで県内各地の銘柄を仕入れていますが、これほどのラインアップは間違いなくここだけでしょう。
冷蔵コーナーには、季節ごとに期間限定のお酒が並んでいます。
で、これを見ていれば当然、「うわー飲みたいなー」と思うわけですね!そこで向かうは「ふくしまラウンジ」という飲食コーナーです。ここでは常に、旬のお酒の飲み比べができるのです。
プレミアムコース(700円)は純米大吟醸4種から2種を、週替わりコース(500円)は旬のお酒6種から3種を選びます。それぞれの味わいの特徴が書いたメモが添えてあって、気に入った銘柄を覚えておくのにとても便利。筆者はすでに何枚コレクションしたことか。
器もおつまみも、福島産にこだわりアリ
さて、ここで告白しますが、筆者は基本どれを飲んでも「おいしい!」としか感じないため、産地による微妙な味の特徴など蘊蓄を語ることができません。すみません。福島の日本酒に関しては、既に福島TRIP日本酒部の皆さんがお書きになったすばらしい記事の数々がありますので、そちらをじっくりご覧いただければと思います。
▽福島の日本酒 “5年連続” 日本一がどれだけすごいか教えます。
▽もはや“日本酒県”だよね!福島で金賞受賞した蔵元と受賞銘柄をまとめてみた
一方、酒は酒のみにて楽しむものにあらず(と誰か言ったような)。ここからは、そのお酒が注がれている酒器と、お供に欠かせないおつまみをご紹介しましょう。
上の写真に写っている「おつまみセット」(300円)は、7種ほどの中から2種が入れ替わりで提供されています(こちらはお任せです)。もちろん全て県産品で、おいしいなと思ったらお酒と同様すべて館内で購入できます。
筆者がオーダーすると必ずヒットする「イカ人参」は、県北地方の郷土食ですね。作り手さんによって風味が少しずつ違いますが、ここで出されている佐久商店さんのは味が濃すぎず、まろやかさが際立っておいしいです。
もうひとつ、筆者的にヒット率が高いのが「さんまのぽーぽー焼風蒲鉾」。ぽーぽー焼とは、サンマをミンチ状にしてハンバーグのようにしたいわき地方の郷土料理(こちらの記事もご参照)だそうですが、これを練り物にしちゃったんですね!かまぼこの中にサンマの歯ごたえがわずかに残り、ネギや生姜の風味と相まって至極美味。後を引きます。
他にもゆず巻だいこん(福島)、鮭の紅葉漬け(福島)、ニシンの山椒漬け(会津)、クリームチーズの味噌漬け(南相馬)、イタリアンかまぼこスティック「ボーノ棒」(いわき)、などなど。いかにも日本酒にピッタリのアイテムが揃って……あれ、よだれが……
もうひとつ、酒器だってお酒を楽しむのに大事なアイテムですよね。飲み比べで使われている杯は、もちろんすべて福島県の工芸品です。週替わりコースの陶器は会津本郷焼と大堀相馬焼、プレミアムコースのガラス器は会津塗。いずれも国の伝統的工芸品に指定されている匠の技です。今回は取材のため、使っている杯をぜんぶ一度に見せていただきました。
伝統漆器といえばふつうは木製ですが、現代ではこうしてガラスに漆を塗る技術もあるのですね。お酒の色が見えるという意味では、持ち手が漆のほうがいいかな。でも、グラスにかかった漆のグラデーションもすてきです。
工芸品コーナーでは、さらに繊細な絵柄のついた漆塗りグラスもありました。
陶器のほうはこんなバリエーションです。底に馬の絵が描いてあるものが大堀相馬焼(浪江町)で、その他はすべて会津本郷焼(会津美里町)。同じ産地の焼き物でも作家さんの個性が出ていますね。指をかける部分が少しだけくびれていたり、飲み口が少しだけすぼまっていたり、わずかな意匠の違いでお酒の口当たりも変わってくるような。
ただ残念ながら、これらの陶器は気に入ったからと館内ですぐ購入することはできないそうです。工芸品コーナーには少し置いてありますが、まったく同じものはありませんでした。いまどきネット通販で買えるものも多いですが、やはり実際に手に取ってみたいなという場合、これはもう産地に行くしかないでしょう!
ただし、大堀相馬焼の故郷である浪江町大堀地区は、悲しいことにまだ原発事故の影響で立ち入りができません。大堀相馬焼協同組合は二本松市内で生産と販売を再開しているので、ぜひ訪ねてみてはいかがでしょうか。
軽食や名物を使ったスイーツも
なお、ふくしまラウンジでは、日本酒とおつまみ以外の飲み物メニューも提供しています。地ビールやコーヒーのほか、定番としてソフトクリーム、桃ジュースや桃スムージー、リンゴジュースなんかもありますので、お子様連れでもノープロブレム。すべて県産のおいしい果物や乳製品から作られた逸品です。
ランチタイムは「ふくしま逸品ぐるめ」として各地の飲食店が数日交代で名物メニューを提供しています(提供のない日もあります)。この日は福島市「ゆず沢の茶屋」さんの柚子みそおにぎりとトン汁セット(500円)でした。やっぱり福島のおコメっておいしいわー。
もちろん館内は日本酒以外の品ぞろえも充実しています。これまで現地に行かないと買えなかったアレが、ここで売ってる!という人気商品も多いとか。会津地方の有名なお菓子もありましたよ。
また、数日ごとに様々な生産者が出店し、イベントも頻繁に行われています。週替わりの日本酒飲み比べや「ふくしま逸品グルメ」と合わせて、今日は何をやってるかな、なんてつい覗きにいってしまうんですねー♪ 実際、この観光物産館には筆者のようなジモティのリピーターも多く、来館者の6~7割が福島県内の方だということでした。
まとめ
ふらりと気軽に立ち寄って、福島が誇る日本酒の贅沢な飲み比べが楽しめる福島観光物産館。一度のお土産ショッピングだけじゃもったいない!ジモティにも愛されるその豊富なコンテンツを楽しみに、あなたも是非リピートしてくださいね。
駅からは近いのですがちょっとだけ目立たないので、西口を出たら右方向へ歩いて、まずこの看板を発見しましょう。後ろに見える「コラッセふくしま」という白い建物の1階です。
福島観光物産館福島市三河南町1-20 コラッセふくしま1階
024-525-4031
9: 30~19:00(ふくしまラウンジのラストオーダーは18:30)