アサヒビール福島工場で出来たてビールの試飲もできる大人の工場見学
日本酒天国・福島に越してきて4年になる筆者、晩酌は地元の銘柄をとっかえひっかえ楽しんでおります。でも、大人数で宴会!となると、なぜか最初の一杯はビールなんですね。テンション上がって喉が渇くからでしょうか(笑)。皆さんの中にも、外気温に関係なく忘年会・新年会の乾杯はやっぱりビール!という方は多いと思います。
さて、そのビール。皆さんはナマ派ですか?ビン派ですか? などと聞かれても、正直なところ、筆者はこれまで両者の味の違いが全然わかりませんでした。それは乾杯のときしかビールを飲まない自分の味覚が鈍いせいだとばかり思っていたのですが、このほど、違いがなくて当たり前ということが判明しました。だって中身、同じだもん!
それよりも、ビールは鮮度が大事。いちばんおいしいのは出来たてを飲むこと。それを教えてくれたのは、本宮市にあるアサヒビール福島工場さんです。
とにかくでっかい!これ全部ビールです
ビール工場見学できるよ、試飲付きだよ!という友人の誘いに乗って、やってきました、「アサヒブルワリープラザふくしま」。工場に併設された見学・展示施設です。アサヒビールは全国に8か所あるビール工場のすべてで見学ができます。見学できる内容やコースは少しずつ違い、マニアの中には8か所すべて制覇する人もいるんだとか。
福島工場は1972年の竣工だそうですから、けっこう歴史があります。敷地の外から見ても壮観な、銀色の巨大タンクの立ち並ぶ図。この中ぜんぶビールですよ!ここでは、お馴染みのスーパードライを始め10種類のビール系飲料を製造、東北6県と新潟に出荷しているとのことです。
見学の内容を詳しく書くとネタバレになりますので控えますが、一見の価値ありますよ。外から見えた銀色のは発酵・醸造のタンクで、中にはまた巨大な仕込み・濾過・煮沸などのタンクが。とにかくその大きさに圧倒されます。それぞれの容量などのデータも教えてくれますが、その数字を聞くと、日本人のビール消費量が減ってるってウソじゃないか?と突っ込みたくなりました。
ちょっと残念なのは、ビン詰め・缶詰め~パッケージング~出荷の様子がナマでは見られないこと。以前は実際の製造ラインが見学できたそうですが、東日本大震災で施設が被災し(9か月も生産ストップしてしまったとのこと)、復旧後はいろいろ変更を余儀なくされてしまったんですね。そのかわり、目を見張るようなファクトリー・オートメーションの世界がビデオで上映されます。実際のラインを遠目で見るよりむしろ迫力あるかもです。
1秒間にビン20本にビール充填するという驚異の早業。筆者は最初、動画を早送りをしているのかと思いました。ここまでくると芸術です。見とれて写真を撮り忘れました。すいません。でも、アサヒビールさん自身が、ネットでこの映像の一部を公開してました。その名も「“AMAZING“ factory」。
いよいよ出来たてビールをいただきます
ビデオが終わると、お待ちかねの試飲です!ビールは3種類が提供されてます。さっそく1杯目のスーパードライ。プロによる注ぎ方をガン見しました。
・・・・・・まずグラスの持ち方が違うな。
・・・・・・ここで一度ストップ。
・・・・・・なるほどー。いまどきビールと泡は別の口から出てくるのですね。
ちなみに、濾過技術が発達してなかった昔は、残った酵母や細菌をビン詰め後に熱処理で殺菌していたそうですが、今ではこうしてタップから注ぐのも、ビンや缶に詰められたのも、中身は全て同じ非熱処理ビール、すなわち「生ビール」だとスタッフの方が教えてくれました。
「ビールはビンや缶に詰めた瞬間から劣化が始まります。輸送中の振動や温度変化もなるべく少ない方がいいですね。ここで飲めるビールは文字通り工場直送ですから、店で飲むのとは味が違うと思いますよ」とのことです。
どれどれ。
うん、やっぱり、うまい。まず舌触りが違う。そして麦の味とホップの香りが際立ち、苦みが少ない(舌の肥えていない私ではなく、ビール好きの友人が言うので間違いなし)。ちなみにおつまみもついてます。
試飲時間は20分少々。けっこうナミナミと注いでくれるので、1杯飲み干すのにそれなりに時間がかかります。3種類全部トライしたければ、喉をカラカラにして臨むべし。(一口だけでハイ次、という行儀の悪いことしてはダメですよ)
この日は「クリスマスイベント」ということで、特別に「グリーンビア」というカクテルも紹介してくれました。ボルスブルーという青いリキュールにスーパードライを注ぐと、あら不思議、鮮やかなグリーンに!
もちろん、お子さんやお酒の飲めない人のためには、ソフトドリンクやノンアルコールビールもあります。改めてみると、カルピスや三ツ矢サイダーもアサヒ飲料さんなんですね。
見学と試飲でトータル75分。これ、なんと無料です。しかも毎日6回も催行(9:30/10:30/11:30/13:00/14:00/15:00の6回、要予約)。
この工場見学は、もともと地元住民とのコミュニケーションを目的に始まったそうです(今でいうCSRですね)。昔はビール製造に「精麦」という過程があり、それが「臭害」をひき起こしていたんだとか。今ではその過程はなくなり、敷地内外まったく匂い無し。
でも見学はいまでも続いており、この福島工場には年間5万人が訪れるそうですよ。スタッフの方もとても親切で、聞けばビールのことなんでも教えてくれます。展示コーナーには懐かしい広告も。
お腹が減ったらアサヒビール園も
さて、ビールで刺激された胃袋を満たすため、ランチはお隣のアサヒビール園へ。目の前の工場から直送されたビールを、ここなら時間制限なしで心ゆくまで飲めます!(笑)もちろん飲み放題もあります。
ここは当然、ジンギスカンです。平日はお得なランチメニューがありました。「わがままジンギスカンランチ」(1,350円)でお腹いっぱい。
ごちそうさまでした~。
まとめ
おめでたい席の乾杯には欠かせないビール。その製造過程を勉強でき、しかも出来たてビールの試飲もできる「アサヒブルワリープラザ」。事前予約のうえ、ぜひ訪れてみては。おっと、車で行ったら飲めませんのでJR東北本線でどうぞ。最寄りの五百川駅から徒歩15分です。
アサヒブルワリープラザふくしま(アサヒビール福島工場)福島県本宮市荒井字上前畑1
9:00~17:00(休業日を除く)
0243-34-1170(工場見学申込み)