林 智裕

肉の季節到来!福島県のブランド肉から選ぶイチオシはこれだ!

いやぁ、毎日暑いですね。夏ですね。バーベキューの季節ですね! という訳で例によって唐突ではありますが、みなさん、お肉は好きですか??

好き!? そう、好きですか!! いやぁ、奇遇ですね。私も大好きです! 肉は美味しいですね! この暑苦しい季節に、キンッキンに冷えたビールで流し込む焼肉! ジューシーな焼き鳥!! 日本酒の冷酒なんかもたまりませんなぁ!(季節もなにもお前が一番暑苦しいというツッコミが入りそうですね)

 

福島は数々の美味しいお肉が食べられる土地でもあるのですが、たとえばその生産地としての代表格の一つは、「阿武隈(あぶくま)高原地域」。南北にわたって全体的に山が多めなものの、標高が低く人の生活圏となる里山ばかり。

それはつまり!……人の手が届くところに山の幸が沢山ある地域だということです。(じゅるり)

 

阿武隈高原地域は福島県の極上肉スポット

まあ、そんな感じに色々美味しいものを抱えた阿武隈高原地域は、昔から家畜を飼うのにもピッタリ! 歴史的には名馬、軍用馬の産地としても知られていました。その証拠に「三春駒(みはるごま)」という伝統工芸品にもなってますね。

阿武隈山系のお肉事情……というと、それだけでも内容盛りだくさん過ぎてしまうので(それでも今回、阿武隈山系だけに絞ってます。福島県内は奥羽山系、会津などにも美味しいもの沢山なのですよ~)取り急ぎ、超高速で代表的なブランドだけを紹介すると、

【牛肉】:飯舘牛、石川牛、先崎牛
【豚肉】:麓山高原豚、ハム工房都路
【鶏肉】:川俣シャモ、伊達鶏、黒鶏、雉

などの実力派揃い。飯舘牛や石川牛などは県内でも非常に有名ですね。飯舘牛は震災の被害を強く受けてしまいましたが、必ず復活します。私は信じて待っています!

ツウな人は先崎牛は? となる方もいるかも知れませんね。これは、話によると地元や一般市場に出回る前に業者にほぼ買い占められている幻の最高級黒毛和牛で、一流ホテルのメインディナーをも飾っている代物だとか。なんだかロマンが広がりますねー。

お次は豚。麓山高原豚は県内でもお馴染み。主要な産地は二本松市東部の岩代地区あたりのようです。他にも、あぶくま高原地域特産のエゴマを飼料に与えた「えごま豚」なんてのもあるようですね。加工品についても、都路(みやこじ)の「ハム工房都路」は、ドイツ農業協会(DLG)の競技会で金賞を収めるほどの実力派。現在は他県産の原料を使っているものの、その加工技術は折り紙付です!

出典:ハム工房都路より

 

なお、「えごま豚」でもお話した通り、阿武隈山系はなんと、このエゴマの葉の日本有数の産地でもあったりするんですねー。たとえばバーベキューをするような自然やキャンプ場などにも恵まれていますし、木炭の生産も盛ん。まさに、焼肉が思う存分楽しめる土地なんです!

エゴマは地元だと「じゅうねん」と呼ばれ、食べると10年余分に長生きするとも言われる健康野菜なんだとか。小野町や田村市などが産地として特に有名です。そこに合わせる辛子味噌……も良いのですが、せっかくなのでコレも阿武隈高原にこだわって、「一升漬け」というこの地域に伝わるシソの実のピリ辛漬けを調味料として合わせてみるのも絶品です! 地元の直売所などで、この一升漬けやエゴマの葉は手に入りやすいですね。

続いて、鶏肉。伊達鶏……地元では比較的広くお手軽に使われていますが、通常のブロイラー(肉鶏の一品種)に比べて味が強く、人気のハムなどにも加工される美味しい肉です。居酒屋などで出てくる焼き鳥が伊達鶏だと、私は俄然テンションが上がりますね!

 

県南、中島村の黒鶏は、国内では珍しいネラ種というオランダ原産の黒い野性的な鶏。卵が絶品とのことですが、お肉も美味しいです。この黒鶏、実は日本古来の雉(きじ)の血統を引いているとの話も。(ホントかな?)言われてみると少し、雉っぽい味もするような。

その雉と言えば、いわき市には雉牧場という施設もあって、きじおこわ(雉の強飯)などの雉料理が味わえるそうです。まさにジビエ!って感じですねー。

 

イチオシは川俣シャモ!

そして個人的に特にイチオシなのは、川俣町の川俣シャモ!

シャモというと漢字では「軍鶏」と書くほど気性が荒く、世界的にも闘鶏というものが存在する程です。古くは伊達政宗公が戦の前には縁起を担いで必ず食したとされ、坂本龍馬も大好物であったと言われる食材。

普通の鶏に比べて身がギュ……っと締まっていて、味がとても強い。赤身の部分もパサパサせずに、しっかりとした味わいです。じっくりコトコト煮込んだ牛スネ肉やスジ、牛タンなどにものすごく旨味が凝縮している、あのイメージですね。

 「それってつまり、肉がスネとかスジみたいに硬いってことじゃ…(´・ω・`)」

はい、その通り……だったんです。(過去形)

シャモは本来、とても硬いお肉なので、時間をかけて煮込んで鍋料理として食べられることが一般的でした。しかし、川俣シャモは一味違います! 独自の掛け合わせの品種改良によって、シャモ本来の強い旨味を残しつつ、「心地良い絶妙の歯ごたえ」という最高の状態に仕上げてあります。その歯ごたえ自体も魅力として感じられるレベル。その結果、鍋料理はもちろんのこと、焼鳥、丸焼、燻製、なんでも合うようになっています。

おかげさまで、シャモを使った食材は大人気! 川俣の道の駅などで買えるシャモメンチはテレビでも良く紹介されますし、燻製はお酒のおつまみとしても最高です。味の強い肉ですからフルボディの赤ワインなどとの相性も抜群ですが、敢えて地元周辺のお酒も合わせたいですね!

 

汁気がほとばしるような脂が持つ強めの旨味にも負ケズ。
芯から滲み出てくるシャモ肉のじんわりした旨味をも消サズ。
そういうものが、私は飲みたい。

 

という訳なので、たとえば福島市の金水晶大吟醸などの、ギュっ……と集めた炊きたてご飯の旨味をややダイナミックに解き放ちつつ、香りも華やぐようなお酒と合わせても最高です。このマリアージュ(組み合わせ)であれば、シャモと絡み合う香り豊かでリッチな味わいが楽しめるはず。うーん、思い出しただけでも最高! キリっと冷やして飲むと、この時期には尚良いと思います。

 

ちなみに毎年8月末には川俣町で、4月末には福島市でそれぞれ「川俣シャモまつり」が開催されて美味しいシャモが味わえる他、祭りの日程以外では川俣町や福島市などの取扱い店舗でそれぞれ、料理や加工品を楽しむことが出来ます。ぜひお試しくださいね!

▲毎年開催される川俣シャモまつり▲

 

ここまで阿武隈山系の美味しいお肉事情を駆け足で書いてみましたが、実はこの地域は昔から優秀な軍馬を商業用・出荷用として生産していただけあって、このハイレベルなお肉の数々も同様に、日常用という以上に商業用・出荷用にされるケースが多かったりします。

じゃあ現地は普段何食べてるの? というと、現代は一般的な豚肉やブロイラーなどの鶏肉が日常食のメインではありますが、昔から食文化が根付いていて今も焼肉のときに欠かせないのが、実は「羊肉」です。

ラム。もっと言うと、昔はマトン。肉自体は輸入品ですが、食文化としては昔から定着しています。仙台の牛タン文化と同様ですね。北海道で見られるジンギスカン文化は、実は阿武隈山系でもお馴染みだったりするんです。(ただでさえPRが下手な福島において中山間地域は更に輪をかけて下手なので、非常に地味で知られてないのですが)

阿武隈山系の友人の話では昔は焼肉と言えばマトン!が当たり前で、それに慣れすぎているので昔からマトン特有のニオイは全然気にならないのに、牛肉の方がむしろニオイが気になる……なんて人も。

地元のお肉屋さんでは今でも生ラムなどが割とポピュラーに売っており、たとえば平田村のひさご食堂(あぶくま高原道路平田IC近く)や小野町のレストラン志木(磐越自動車道小野IC近く)のように、美味しいジンギスカンがメニューに並ぶレストランもあります。(※予約が必要な場合もありますので、もし行かれる場合は事前に店舗へ確認してくださいね)

 

まとめ

という訳で、今回はあぶくま高原地域に絞って色々なお肉や食文化を紹介してみました。暑さはまだまだ続くでしょうから、夏バテしないように。でもせっかくなので、福島の美味しいお肉とお酒で、この夏を前向きに楽しみましょう!!さあ!レッツパーリー♪(このクソ暑いというのに、最後までいちいち暑苦しくてすいませんね。)

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