第三次こけしブーム到来!?知られざるこけしの世界
本日は、いつも写真を提供いただいている「近野こけしさん」から寄稿いただいた“土湯こけし”に関するご紹介です。
土湯こけしの特徴と歴史
土湯温泉は遠刈田、鳴子と並ぶ三大こけし発祥地とされています。こけし工人の手によってなんの変哲もない木が削られ磨かれ描かれ、優しい女の子の表情をしたこけしに生まれ変わります。
土湯こけしの特徴は、頭が小さく、胴も細目で女性的。頭は蛇の目と言われる丸いろくろ線、顔はクジラ目(クジラの背中のライン)タレ鼻におちょぼ口、横縞模様のろくろ線、たまにボタン等の花柄。
土湯こけしの歴史から現代のこけしブームまで
土湯こけしは300年前に伝わったとされています。当時、東北の温泉地で木地挽きをしてお椀や茶器を作っていた工人が女の子の玩具として作ってあげていたことがきっかけだそうです。きっと、わが子のために可愛いいおもちゃとして作っていたんでしょうね。
その後、昭和10年〜15年ごろが第一次こけしブームと言われ、これまで子供の玩具であったこけしが大人の鑑賞品として人気となり、やがて昭和40年〜50年代に第二次こけしブームへと続いていきます。
そして、今は“第三次こけしブーム”といわれ、こけし好きの若い女性「通称:こけ女」を中心に広がりをみせています。こけし専門の雑誌などもあり、関東・関西方面で密かな人気に。
こけしの種類
土湯こけしのほかにも、伝統こけしと言われる系統は東北に11系統あります。
津軽系(青盛 温湯温泉)南部系(岩手 花巻温泉)木地山系(秋田 川連温泉)
鳴子系(宮城 鳴子温泉)作並系(宮城 作並温泉)遠刈田系(宮城 遠刈田温泉)
弥次郎系(宮城 鎌先温泉)山形系(山形 天童温泉)蔵王高湯系(山形 上山温泉)
肘折系(山形 肘折温泉)土湯系(福島 土湯温泉)
最近では本来の伝統型のこけしだけでなく、いろんな形のこけしも工夫して作っています。
編集部 脚注
編集部も全く知らなかったこけしの世界。実際にこけし専門の雑誌を調べてみると……。
あった! ありました!
その名も『こけし時代』
主に旅、こけし、温泉を中心に紹介する“こけしの旅ガイド”のようで、なんともマニアック笑。表紙の古風なモデルさんが可愛らしいですね。
そして、充実した付録にも注目。こけしペン!
こけしの新たな魅力に気付かされた内容でしたが、実は近野こけしさんもこけし工人なんだとか! 編集部も初めて知ったのですが、この“こけし愛”はこけし工人だからこそなんですね。納得しました。
みなさんも福島をはじめ東北にあるこけしを見つけたら、その違いを見つけてみるのも面白いかもしれませんね!