皇族も認める隠れた福島名物、駒田屋本舗の「みそぱん」
新幹線の時間まで、あと5分。 切符を握りしめ、慌ただしく福島駅構内のお土産売り場であなたが手にするのはままどおる? それともエキソンパイ?
福島で18年生まれ育ったわたしが、福島へ来たならみなさんに手にとってほしいお土産、それは駒田屋本舗の「みそぱん」です。
駒田屋本舗のみそぱんとは
「みそぱん」を販売しているのは、福島市を中心に店舗をかまえる駒田屋本舗。江戸時代に創業した和菓子の老舗であり、福島藩の御用商をつとめていました。
明治9年に明治天皇が東北御巡行時には、和菓子や飲料水などを献上しており、まさに皇族から認められた味。そんな老舗和菓子店が作る名物「みそぱん」がこちら!
一見すると、蒸しパンのような食感と思われるかもしれませんが、駒田屋本舗のみそぱんは、しっとりとした食感に仕上がっているのが魅力のひとつ。
みその甘さが口のなかにプワーっと広がる瞬間は、一度食べてしまうと、想像しただけでもよだれがたれそう……。
実はわたしも福島を離れるまでは、そんなに食べたことがなかったみそぱん。ひょんなきっかけで東京へ行く新幹線で食べたとき、素朴な味としっとりした食感がやみつきに。東京へ着いた瞬間に、「もう1個食べたい!」と感じ、いまでは「もう1個!」にとどまらず、帰省するたびに必ず買っています。
なにより牛乳にもお茶にも合うみそぱんは、ままどおるやエキソンパイにも負けないお茶菓子なんです!
また、厳選したお米でつくったゆべしの生地にくるみを練りこんだ「くるみゆべし」(5個入り486円)もお店の看板商品です。福島はゆべし商品が豊富なので、食べ比べてもいいですね!
江戸時代から続く、駒田屋本舗のおいしい和菓子づくりのルーツ
実際にみそぱんを作られている駒田屋本舗さんにお邪魔すると、おいしい和菓子づくりのルーツを垣間見ることができます。
まず店内へ入ると、江戸時代のお店の様子が描かれた絵が飾られていました。にぎやかそうな風景が描かれた絵について伺ってみると、なんと江戸時代の駒田屋本舗が描かれているとのこと! この絵からも江戸時代から現代に至るまで、長きにわたって庶民に愛される和菓子店であることがわかりますね。
棚の中にあるのは和菓子でしょうか?
200年のときを超えて代々受け継がれている味を口にしていると思うと、不思議な思いがこみあげてきますね!
そのほか、部屋の脇に置かれていたこちらは、いろいろな模様をかたどった木製の道具。かつて和菓子づくりの際に活躍していた道具たちは職人の魂が今も宿っているかのような、そんな佇まいが感じられました。
そして、駒田屋本舗の渡邊さんのご好意で、店舗裏にある、かつて明治天皇にも献上した名水が汲める井戸まで案内していただきました。現在は使われていないそうですが、以前はこちらの名水を使用して、和菓子をつくっていたとのことです。
今でも普通に使えるんですよ!
駒田屋本舗に足を運ばないとわからなかった、みそぱんをはじめとした和菓子づくりへのルーツたち。お菓子で遠い昔に思いを馳せるなんて、江戸時代創業の駒田屋本舗だからこそ! 詳しいご説明をしてくださった渡邊さん、ありがとうございました!
まとめ
駅のお土産処でよく販売されているのは、5個入りパックのみそぱん。新幹線のなかで食べるみそぱんは、福島滞在のフィナーレを飾るにぴったり。帰省していた方は思わず “ホッと”。旅行で滞在していた方は、福島らしい素朴なぜいたくを味わうことができるでしょう。
福島土産選びにマンネリを感じている方は、ぜひ駒田屋のみそぱんを手にしてみてくださいね!
駒田屋本舗福島県福島市荒町5-29
8:30~18:00
024-522-4729