“小ナイアガラの滝”と呼ばれる「乙字ヶ滝」が本当にナイアガラなのか調査してきた
ナイアガラの滝といえばご存知の通り、アメリカとカナダの国境に位置する言わずと知れた世界の名瀑。一度でいいから生で見てみたいというも方も多いはずです。そんなナイアガラの滝が福島で気軽に見れるとなれば、すぐにでも足を運びたくなるのではないでしょうか……? というのも、ここ福島には“小ナイアガラの滝”と呼ばれる「乙字ヶ滝」という滝があるんです! 一体どのようなものなのか、気になったので実際に確かめてきました。
本当にナイアガラ? 乙字ヶ滝の真実を確かめにいざ
さて、今回やってきたのはウルトラマン空港の異名を持つ福島空港がある、須賀川市。ナイアガラの滝が見られるという場所は空港から10分程ということなので早速向かいます。
ちなみに、アメリカとカナダの国境にある本物のナイアガラの滝は、落差53m、幅670m、滝壺の深さ56mもある北米で最も規模の大きな滝です。
お、大きい……。
空港からは「案外近いなぁ」と思っていたら本当にあっと言う間に到着し、“名所 乙字ヶ滝”と書かれた石碑を発見。あれ、もう着いた……(笑)。
駐車場から数分歩いたところに瀧見不動尊というお寺が。すると辺りから微かに“ドドドドド……”、ぶつかり合うような水の音が聞こえてくるではありませんか! 期待が高まります。
これが小ナイアガラの異名を持つ「乙字ヶ滝」
これが……、福島のナイアガラの滝!
ちっさ!
可愛らしいナイアガラの滝「乙字ヶ滝」ですが、落差はあまり無いものの、川幅100mに渡って飛沫を上げながら流れ落ちる姿は、それなりの迫力があります。ここ「乙字ヶ滝」は東北で2番目の長さを持つ阿武隈川(1番は北上川)で唯一の滝として、江戸時代には舟運の最大の難所とも言われていました。 水が乙字の形をして流れ落ちることから「乙字ヶ滝」の名が付き、“日本の滝100選”にも選ばれています。この日は水量が多かったので「乙」の形が少しわかりにくいですね(汗)。
乙字ヶ滝の流れを見ながら“200年前”に思いを馳せてみよう
壮大な水の流れを見ていたらなんだか、一句詠みたくなってきました!
五月雨の 滝降りうづむ 水かさ哉
実はこの句は遡ること200余年、かの俳聖・松尾芭蕉が「おくの細道」行脚の途中、この地を訪れて詠んだものと言われています。滝の側には芭蕉と弟子の曾良の石像も。五月雨で水かさが増した「乙字ヶ滝」の流れを見ながら芭蕉はどんなことを考えていたのだろうか、当時を思い偲んでみるのも良いかもしれませんね^^
乙字ヶ滝福島県須賀川市前田川
まとめ
「乙字ヶ滝」は、雄大な景色もさることながら、滝を眺めながら200年も昔の人と心を通わせることができるのが魅力のスポットにして、小ナイアガラと呼ばれるだけの迫力は本物でした! 日々の疲れなども水に流して心をリフレッシュさせたいときにはピッタリの場所ではないでしょうか^^