これぞ日本のサムライ!魂が震える戦国絵巻「相馬野馬追」が圧巻
相馬野馬追の見どころ!若武者が最速を競う甲冑競馬開始
各騎馬武者が祭場に集まり、山上の御本陣に神輿を安置した後、目玉の一つ甲冑競馬が始まります! 甲冑競馬は、10頭が1周1000mのコースで速さを競う種目。もうこの頃には、疾走コースには多くのカメラマンと人だかりですごいことに笑。
そして、いよいよ若武者達が競う甲冑競馬が始まりました!
ドンドンドン……。遠くからでも聞こえると馬の駆ける音と共に、猛烈なスピードで横切る騎馬武者達の躍動感。 騎馬武者が全速力で駆ける姿は迫力があり、横切る直前には旗差しの風を切る音が爽快!
砂塵が舞っている様子は、馬の力強さが一目で分かるはず! 若武者達が己の威信を懸ける形相が目に焼き付きます。
颯爽と駆ける女性騎馬武者の方も姿も。男性騎馬武者を負かす立派な走りを見せてくれました!
動画でも撮影してみました。圧巻の甲冑競馬はこちら
相馬野馬追の最後は神旗争奪戦、まるで合戦のような迫力!
そして、本祭り最後の目玉”神旗争奪戦”。神旗争奪戦は、3種類の色のついた神旗を打ち上げ、舞い落ちるタイミングで、騎馬武者が一斉に争奪する種目です。先ほどの甲冑競馬の躍動感とは違った迫力は、まさに現代に残る“合戦”!
3種類の色のついた神旗は、3軍の所属する「相馬中村神社」が青、「相馬太田神社」が赤、「相馬小高神社」が黄色に分けられており、旗は敵の首にもなぞらえられているそうです。始まりが軍事訓練ということもありその名残が今も残っているんですね。
祭場周辺に轟く音と共に打ち上げられた花火。ひらひらと舞い落ちる神旗を目掛けて、一斉に騎馬武者が争奪戦開始です!
これだけ見たら、映画で見るような合戦のシーン……。それが目の前で起きて
いる!
少し遠目ですが、写真中央の赤い色が神旗。それを奪わんと騎馬武者達が一堂に会しています。あまりの激しさに、落馬する騎馬武者もいるほど……!
見事に神旗を勝ち取った騎馬武者は、神旗を掲げながら本陣山のある山頂に向けて一気に駆け上がります。
神旗争奪戦が行われている最中、神旗を勝ち取った瞬間に会場から一斉に歓声が上がるなど、騎馬武者と会場がまさに一体。これも相馬野馬追の魅力の一つなんですね。
ちなみに、会場のアナウンスでは、武者の方が救護所に刀を忘れるハプニングや、馬が騎手を乗せずに走り出すなど、会場中が爆笑する一コマも笑。
とはいえ、目の前で行われる圧巻のスケールに終始驚きっぱなし。福島でしか見れない世界最大に相応しい祭事、一度は目にしておくべきです!
まとめ
毎年7月末に開催される相馬野馬追ですが、一時は震災の影響により開催中止をせざるおえない時もありました。 しかし、1000年も続く伝統を守るため、朝早くから鍛錬を続ける努力や何代にも渡って残そうとする相馬の強い意志は並々ならぬものを感じます。
撮影中には県外から毎年訪れてるという老夫婦の方とも知り合い、その魅力を嬉しそうに語る姿を見て、相馬の意志が確かに多くの人を魅了していることが分かりました。日本各地でも、これほど日本古来の武芸を再現した伝統行事は、恐らく相馬野馬追だけでしょう!
世界に誇る「現代の戦国絵巻」を知ってもらうべく福島TRIPはこれからも応援します!
Photo by Sumiyo Matsuoka , Kenta Ito