「福島の日本酒ガイド」決定版! 選んでまちがいないお酒はコレ!
福島県は、明治時代から続く全国新酒鑑評会で「7年連続・金賞受賞数日本一」という前人未踏の大記録を更新中! そんな福島を訪れたからには、美味しい日本酒を味わいたいですよね!
福島の酒蔵の数は多く、その数は63にもなります。これは新潟(89)、長野(74)、兵庫(69)に次いで全国で4番目に多い数です。
【国税庁:清酒製造業の概況(平成29年度調査分)より。酒蔵の所在地マップはこちら】
酒蔵の数がここまで多い上、福島県は北海道を含めても日本で3番目に大きな県。
「お酒はどれを選べばいいの?」「どこで買えばいいの??」というご質問に答えて、今回の記事では、地元で愛される定番から、知られざる銘酒、そして入手困難な一本まで網羅してご紹介!
合わせて、お食事や、お土産に日本酒を買うのにおすすめのお店もピックアップしました。
お酒&お店選びに困ったときはぜひご覧ください。
目次
全国新酒鑑評会金賞蔵のお酒、コンクール受賞酒が飲みたい!
全国新酒鑑評会で金賞を獲得するのは至難の技。全国各地の蔵から集められた最高の1本ばかりの中から、金賞となるのはそのうち約4分の1程度にとどまります。
福島のお酒が、全国新酒鑑評会で金賞受賞数7年連続日本一を達成!
もちろん鑑評会での評価だけがお酒の魅力というわけではありませんが、技術と品質、信頼を裏付ける基準のひとつであるのも確か。
まずはおさらいとして、2019年(2018年醸造年度)の金賞受賞蔵を地域別にピックアップします。
会津地方の金賞受賞蔵
銘柄名/蔵元名
「会津中将」(鶴乃江酒造/会津若松市)
「名倉山」(名倉山酒造/会津若松市)
「嘉永蔵 大吟醸」(末廣酒造 嘉永蔵/会津若松市)
「会津宮泉」(宮泉銘醸/会津若松市)
「会津吉の川」(吉の川酒造店/喜多方市)
「純米大吟醸 きたのはな」(喜多の華酒造場/喜多方市)
「萬代芳」(白井酒造店/会津美里町)
「學十郎」(豊国酒造/会津坂下町)
「國権」(国権酒造/南会津町)
「開當男山」(開当男山酒造/南会津町)
「大吟醸田島」(会津酒造/南会津町)
「稲川」(稲川酒造店/猪苗代町)
「榮四郎」(榮川酒造/磐梯町)
中通りの金賞受賞蔵
銘柄名/蔵元名
「金水晶」(金水晶酒造店/福島市)
「奥の松」(奥の松酒造/二本松市)
「雪小町」(渡辺酒造本店/郡山市)
「さかみずき」(若関酒造/郡山市)
「寿々乃井」(寿々乃井酒造店/天栄村)
「廣戸川」(松崎酒造/天栄村)
阿武隈高地(中通り東部)の金賞受賞蔵
銘柄名/蔵元名
「あぶくま」(玄葉本店/田村市)
「三春駒」(佐藤酒造/三春町)
「東豊国」(豊国酒造/古殿町)
また、全国新酒鑑評会以外の主要コンクールで表彰された福島のお酒(一例)も挙げてみます。
インターナショナル・ワインチャレンジ 【IWC】 日本酒部門
(英国ロンドンで行われる世界最大級のワイン品評会)
【チャンピオン・サケ(2015)】
「播州産山田錦仕込純米大吟醸酒」(ほまれ酒造/喜多方市)
【チャンピオン・サケ(2018)】
「奥の松 あだたら吟醸」( 奥の松酒造/二本松市)
(※チャンピオン・サケは、すべての出品酒から頂点の1銘柄のみの受賞となり、「世界一」の称号ともいわれています)
クラ・マスター(フランスのソムリエによる品評会) 2019プラチナ賞
【純米大吟醸部門】
「人気一 純米大吟醸」(人気酒造/二本松市)
【純米酒部門】
「にいだしぜんしゅ 純米吟醸」(仁井田本家/郡山市)
ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019 最高金賞
【メイン部門】
「一生青春 特別純米」(曙酒造/会津坂下町)
【大吟醸部門】
「一生青春 大吟醸」(曙酒造/会津坂下町)
【スパークリングSAKE部門】
「人気一 あわ酒スパークリング純米大吟醸」(人気酒造/二本松市)
SAKE COMPETITION(サケ コンペティション)2019 第1位
(部門出品数 578点中)
【純米吟醸部門】
「飛露喜 純米吟醸」(廣木酒造本店/会津坂下町)
話題の日本酒が飲みたい!
日本酒業界では今、新進気鋭の新しい味わいの日本酒が注目を集めています。なかにはプレミアム価格がついてしまうものも!
入手困難になりがちな人気銘柄をピックアップしてみました。
会津地方
福島の日本酒を代表する主要産地。「福島の酒」の王道ともいえる会津には数多くの酒蔵があり、近年はそれぞれの蔵で長く愛されてきた伝統と革新とが上手に融和した、極上のお酒を醸し続けています。
■飛露喜(ひろき) 廣木酒造本店【会津坂下町】
福島を代表する、最も入手困難な人気銘柄のひとつ。英国のウィリアム王子が福島県に宿泊した際にも振舞われたお酒です。
今では一般的になった『無濾過生原酒』というお酒は、廣木酒造が約20年前に世に送り出した「泉川特別純米 無濾過生原酒」がきっかけであったといわれています。「飛露喜」と並び、当時と同じ「泉川」ラベルのお酒も人気を集めています。
■寫楽(しゃらく) 宮泉銘醸【会津若松市】
「飛露喜」と並び、福島を代表するプレミアム銘柄。果実を思わせる含み香と、心地よい酸味を感じさせる個性的なお酒です。
また、同じ宮泉銘醸で醸している「会津宮泉」(SAKE COMPETITION 2018年純米酒部門1位/部門出品数 456点。同時に、寫楽も5位に入賞)も近年大きく注目を集め、双璧をなしています。両方を買って飲み比べてみるのもおすすめです。
■ゆり 鶴乃江酒造【会津若松市】
「会津中将(あいづちゅうじょう)」(SAKE COMPETITION 2015年純米大吟醸部門1位/部門出品数261点中)で知られる鶴乃江酒造の酒は、澄んだ飲み口と花のように可憐な淡い香りが印象的。トランプ大統領を迎えた晩餐会でも選ばれた人気の銘柄で、晩酌からハレの日のお酒まで幅広く応えてくれます。
「会津中将」という名は、会津松平藩祖・保科正之公の官位にあやかってつけられています。
■天明(てんめい) 曙酒造【会津坂下町】
会津坂下町が誇る酒蔵のひとつ。『ワイングラスでおいしい日本酒アワード2019』では「一生青春」ブランドの特別純米と大吟醸が、メイン部門・大吟醸部門の双方でそれぞれ最高金賞を獲得するなど、その実力は折り紙つき。
曙酒造の「天明」は、進化した現代日本酒の先駆け的存在で、同じ「天明」でも驚くほどにバリエーションが多彩。常に試行と進化を続けている曙酒造の酒は、通を唸らせる垂涎の的です。
酒造が見学できる話題のスタディツアーに参加してきた!
■会津娘(あいづむすめ) 髙橋庄作酒造【会津若松市】
その土地の人がその土地の米と水を使い、その土地の手法で仕込む『土産土法の酒造り』を目指している会津の地酒蔵。通からの人気が根強く、特に「会津娘特別純米酒 無為信(むいしん)」は食中酒としての香りや味わい、コクのバランスが素晴らしい一本。心地よく香るのにしつこくなく、深い旨味があるのに軽やかなキレもある。柔らかな口当たりで始まりながら後を引く余韻もあり、日本酒を長く飲み続ける愛好家にとって理想的ともいえる味わいで、さまざまな食材とのペアリングが可能です。
■奈良萬(ならまん) 夢心酒造【喜多方市】
『喜多方の、夢心でしか出来ない酒を造りたい』その想いから、夢心酒造が特約店専用酒として21年前に立ち上げたブランド。新世代日本酒の先駆けであると同時に、個性や面白さ、新しさを今に至っても感じさせ続ける貫禄は、もはや「ブランド」が力強く確立されたといえるでしょう。
口に含んだ瞬間から新鮮な果実を思わせるジューシーな旨味がとめどなく溢れ、それでいながら香りや余韻はおだやか。バリエーションも豊かで、さまざまなテイストを楽しめます。
中通り
近年では会津地域に加え、福島の中でも中通り、特に「県南」地域の酒蔵が醸す新しいタイプのお酒も注目と人気を集めています。特に各蔵ともに新世代の若き杜氏たちの活躍が目立ち、新進気鋭の酒が味わえます。
■廣戸川(ひろとがわ)松崎酒造【岩瀬郡天栄村】
以前に福島TRIPでも特集を組んだ、若き杜氏が醸す気鋭の酒。地元のお米の魅力を鮮やかに引き出す酒造りが話題で、特に特約店限定の「特別純米廣戸川」(SAKE COMPETITION 2016 純米酒部門2位/部門出品数401点中)は、一度は味わっていただきたい一本。
全国的に兵庫県産山田錦を原料米とするのが主流である新酒鑑評会出品酒においても、地元福島県産「夢の香(ゆめのかおり)」で醸し、現在の杜氏の就任以来、初年度から8年間連続で金賞を獲り続けている実力蔵です。
福島の日本酒の美味しさを語りつくす。福島呑気酒 Vol.2 松崎酒造(天栄村)
■陣屋(じんや) 有賀醸造 【白河市】
「一生の粋な酔いを」をモットーに、世界に誇れる日本酒の醸造を行っている有賀醸造の杜氏は、東日本大震災を機に実家へと戻り、杜氏に就任した元東北大学大学院の理系研究者。データの裏付けによる緻密な設計と、蔵の伝統とを融合させ醸した新世代の日本酒「陣屋」(SAKE COMPETITION 2016 純米酒部門8位/部門出品数401点中)は、デビュー以来県内外で非常に高く評価されています。
また、新作の「生粋左馬」も、フルーティな香りや酸味を充分に感じさせながらもキレを強めに誂えられた、飲み疲れをさせにくい通向きの一本。
■一歩己(いぶき) 豊国酒造【古殿町】
江戸時代、天保年間から古殿町竹貫(たかぬき)に続く豊国酒造合資会社の、若き9代目蔵元が2011年から始めた新ブランド。
口に広がるほのかな甘み、とろりと滴るような旨味に続く、ほのかな苦み。飲み飽きしにくいキレの絶妙なバランスが楽しめる気鋭のお酒です。
■楽器正宗(がっきまさむね) 大木代吉本店 【西白河郡矢吹町】
「自然郷(しぜんごう)」ブランドで知られている大木代吉本店が醸す「楽器正宗」の特筆すべき点は、「本醸造」の魅力を驚くほどに引き出していること。
本醸造とは、米と水、米麹を材料とした純米酒に、醸造アルコールを加えて味を調整する造り。純米酒以外の製法を否定的に捉える人も少なくない中で、このお酒はその先入観を完膚なきまでに覆しかねない衝撃の酒です。
まるで最上級のコーヒーや紅茶、ウィスキーを思わせるほどに香り高く繊細、芸術的なブレンド。人気急上昇中につき、入手困難になってきています。
■穏(おだやか) 仁井田本家 【郡山市】
無農薬、有機栽培の自然米にこだわり造られた仁井田本家の酒は、自然の地力を極限まで引き出したかのようなダイナミックな息吹、生命力を感じさせます。それを体現したかのような看板ブランド「しぜんしゅ」と「田村」。
また、白麹で醸したもう一つの看板ブランド「穏」は柑橘系のような甘酸っぱさを持ち、仁井田本家が得意とする「自然の地力」と融合させた新しいお酒。次の一杯が進みます。
地元で愛され続ける美味しい日本酒が飲みたい!
昔から「日常的な酒がやたらと旨い」と言われてきた福島の地酒。その秘訣は「本来雑味となるはずだったものを、旨味に変えてしまう技術」の高さ。マイナス要素になりやすい雑味を上手に制御し、「味わい」「個性」などのプラス要素へと変換させることができるのです。
昔から地域の食や文化と密接に関わってきた福島ならではの、なかなか味わえない文字通りの「地酒」をご紹介します!
会津地方
会津で昔から愛されてきたお酒の味わいは、上品な香りとふくよかな旨味、口当たりの良さと飲み飽きなさの絶妙なバランスが身上。溜息が出るほど完璧な大吟醸の美しさはもちろん、普通酒にさえうっすらと漂う気高く淡い、やわらかな芳香が特徴的です。
冷やで良し、燗で良し、常温でも良し。あらゆるシーンを担えるオールマイティな味わいと懐の広さは、日本酒通はもちろん、初心者の方にもおすすめしやすい味わいです。
■榮川(えいせん) 榮川酒造 【耶麻郡磐梯町】
福島県内きっての大手酒造のひとつで、全国新酒鑑評会金賞受賞常連蔵です。日本名門酒会企画の、立春(節分)未明に搾る「立春朝搾り」なども手がけ、アメリカの大手航空会社・デルタ航空の機内サービス提供日本酒として、全国数ある酒蔵の中から選ばれた名門でもあります。
美味しいお酒に必要な要素をキッチリとおさえつつ洗練させ、最適なバランスで調和している「粗」の無さ。ワンカップの普通酒にすらその魅力を感じる、まさに「会津の酒」の代表格です。
■会津ほまれ ほまれ酒造【喜多方市】
同じく、会津を代表する大手酒蔵のひとつ。民謡「会津磐梯山」とともに「喜び多き方々へ」のメッセージが流れるCMでおなじみの、地元で深く愛され続けてきた地酒蔵です。
2015年のインターナショナルワインチャレンジにおいて「播州産山田錦仕込 純米大吟醸酒」が世界一の称号ともいわれる「チャンピオン・サケ」を獲得。その高い技術力で世界を驚かせる最高品質の酒から、日常を彩る普段使いの身近なお酒まで幅広く造っています。
■末廣 (すえひろ) 末廣酒造【会津若松市】
会津若松市内に古くからある酒蔵で、鑑評会金賞受賞常連蔵の1つ。野口英世博士との縁が深く、江戸時代から残る「嘉永蔵」では野口博士や将軍徳川慶喜公の直筆の書も残されています。2013年には日本経済新聞のNIKKEIプラス1「訪ねて楽しい日本酒の蔵元」で第1位を獲得しました。
その味わいは上品で華やかながらも、まるで研ぎ澄まされた日本刀、あるいは会津武士を思わせる凛とした美しさ、気高さを感じさせる佇まいがあります。
訪ねて楽しい日本酒の蔵元第1位! 会津若松「末廣酒造」の蔵見学が面白い
■月弓(げっきゅう) 名倉山酒造 【会津若松市】
全国新酒鑑評会11年連続金賞受賞。ふくよかな香気漂う昔ながらの会津の酒の良さと個性を、鑑評会酒から日常のお酒にまで、極めて高い技術力で洗練させた王道の味わいが特徴的です。
インターナショナル・ワインチャレンジ(IWC)2018純米酒部門(部門出品数 323点)の頂点となる「トロフィー」も獲得した「純米酒 月弓」は、まさにその真髄を感じさせる一本。地元会津若松市はじめ、県内各地で王道の晩酌酒として選ばれ、多くの人に親しまれています。
地元の人たちと同じ愉しみを分かちあえる、心にしみる味わいをぜひ。
■國権(こっけん)国権酒造【南会津郡南会津町】
雪国会津の中でもさらに雪深い南会津のお酒は「何度でも飲みたくなるほどの、後引く旨味と心地よさ」が特徴。お米そのものの風味を強く生かした純米酒や本醸造を飲んで、ハマる方が続出。南会津地域のお酒は県内の日本酒好きの間でも昔から特に人気があり「とっておきの秘蔵酒」のような扱いを受け、重宝されてきました。
なかでも国権酒造は新酒鑑評会金賞受賞常連の実力蔵で、県内外問わずお土産としても喜ばれるブランドです。
二本松市 (中通り)
福島県中通り北部の二本松市も、会津とともに城下町として名高く、古くから上質のお酒や和菓子などの文化が培われてきました。
二本松の酒の特徴は「米から酒を造った」という以上に「ツヤツヤの炊き立てご飯からお酒を造った」との表現が似合う、深く力強いコク味。同時に、非常に洗練された上品な香りと口当たりとが両立されている、極めて高度な造りです。
特に純米酒や本醸造を燗酒にすると、驚くほどのポテンシャルを感じさせてくれます。
■奥の松(おくのまつ) 奥の松酒造【二本松市】
享保元年(1716年)創業。「大吟醸雫酒十八代伊兵衛」は新酒鑑評会11年連続金賞受賞し、「あだたら吟醸」はインターナショナル・ワインチャレンジ(IWC)2018年 チャンピオン・サケを獲得。
モータースポーツのフォーミュラニッポンや全日本ロード選手権でのシャンパンファイトで「純米大吟醸プレミアムスパークリング」が使われるなど、輝かしい実績を誇る世界的な酒蔵です。
その華やかな経歴と同時に、昔から福島県内の幅広い地域で愛されており、年配の人の中には「酒は奥の松しか飲まない」と公言する根強いファンも少なくありません。
通に好まれる「奥の松サクサク辛口」や、最近発売された「醸侍(じょうじ)」シリーズも注目を集めています。
地元ではコンビニやスーパーにも並ぶ日本酒が “世界一” の称号を獲得する快挙!
■大七(だいしち) 大七酒造【二本松市】
「酒は大七、旨さは第一」。同じ二本松の地で「奥の松」と双璧をなし、長く福島県民に愛されてきた県内大手。海外への輸出もいち早く手掛けていたことから、国外にも非常に根強いファンが多い酒蔵です。
1752年(宝暦二年)の創業以来、日本酒の最も伝統的な醸造法「生酛(きもと)造り」一筋に豊潤な美酒を醸し続けている蔵で、すべての商品が生酛造りというこだわりは驚きです。
特に「大七純米生もとCLASSIC」は、その濃厚で複雑な味わいをもっとも強く感じさせる魅力の一本。また、大七の求める最高レベルに達した年にしか名づけることが許されない「妙花闌曲(みょうからんぎょく)」シリーズは、一度は飲んでみたい高嶺の花です。
酒造りにおける独自の魅力と美学の追及を続け、非常に高い技術力と個性を誇る大七酒造は、福島県のみならず、日本酒文化にとってもかけがえのない存在であるといえるでしょう。
通のあいだで人気の入手困難な地酒も、こっそり教えます!
魅力がずいぶん広まった福島の酒。しかし広い県内に小規模醸造の酒蔵がたくさんあるため、知られざる魅力がまだまだ隠されているのです!
ここではまだあまり全国には知られていない、これまで地元と通のあいだでほぼ独占されてきた珠玉のお酒たちを、ちょっとだけ教えちゃいます。
■金水晶(きんすいしょう) 金水晶酒造店【福島市】
県庁所在地である福島市に残る唯一の造り酒屋。以前、記事で特集した蔵で 「煌(きら)めき」を感じさせるリッチな味わいと、綺麗でおだやかな口当たりが特徴。ほぼ福島市近辺のみで楽しまれていた地酒でしたが、近年は新酒鑑評会での金賞をはじめとした受賞も相次いでおり、その存在と魅力が急激に知られはじめています。
まるでグレービーソース(肉汁のソース)のようにジューシーな旨味を料理に添えて、食中酒としてさまざまな料理の魅力をさらに引き立てます。福島市名物である円盤餃子や焼鳥との相性はもとより、小籠包のような料理にもバッチリです。福島の日本酒の美味しさを語りつくす。福島呑気酒 Vol.1 金水晶(福島市)【金水晶ツアー完結編】飯坂線を走る貸切列車で、田植えした酒米からできたお酒を堪能!
■寿月(じゅげつ) 寿々乃井酒造店【岩瀬郡天栄村】
金水晶に続き、こちらも以前記事で特集した酒蔵。
福島県中南部の天栄村で、「廣戸川」で名高い松崎酒造と並び愛されてきた地酒。淡麗ながらも後味にふくよかな甘さが残る、飲み飽きなさが身上です。
特筆すべきは、『華やかながらもどこか陰のある憂いを帯びた気品と色気、香り、味。 そして飲み飽きさせない優しさと、さり気なさ』。主張は強くなく、だからこそ感じさせる繊細で綺麗な味わいは、神秘的で淡い上弦の月を思わせます。さまざまな日本酒を飲んできた通の間でひそかに、こよなく愛されています。
天栄村以外ではほぼ入手困難であった地酒中の地酒。前回の全国新酒鑑評会では、大吟醸が金賞を受賞しています。
福島の日本酒の美味しさを語りつくす。福島呑気酒 Vol.3 寿々乃井酒造店(天栄村)
■登龍(とりゅう)大谷忠吉本店【白河市】
県南の白河市にある大谷忠吉本店は、醸造量80石(※1石(こく)= 一升瓶約100本)あまりと非常に限られた生産量の蔵でありながら、その味わいで多くの人気を集めています。
この「登龍」は、青りんごをすりおろしたようなフレッシュな香りと、ライムにも似た酸味とわずかなほろ苦さ、やや遅れて感じるスパイシーな黒胡椒のような味わい、なめし皮の匂い、ウッディでまろやかな口当たりが特徴です。
あくまでも味わいは重すぎず、爽やかな飲み口と香りも両立されている、食中酒としても相応しい個性的な一本。
県内でも入手できる機会が限られるため、見かけたらぜひ手に取ってみてください。
■南郷(なんごう)矢澤酒造店【東白川郡矢祭町】
福島県最南端の阿武隈高地で、茨城県と県境を接する矢祭町の地酒「南郷」。一口目には福島県内きっての冴えわたるキレの良さと清々しさがあり、やがてやわらかな「ふくみ」のような後引く旨さを感じさせ、次の一杯が進みます。味わう中で表情を少しずつ変えながら、飲み飽きさせません。さまざまなおつまみにも合わせてくれる理想的な食中酒で、山のお酒でありながら、新鮮な刺身などの海の幸とも非常に良い相性を誇ります。
かつて東京で飲んだこの「南郷」の絶妙の味に惚れ込み、ついには縁もゆかりもなかった福島県矢祭町に移住して酒造りを継いだのが、現在の杜氏です。一人の人間の人生を変えてしまうほどの魅力を持つ、隠れた地酒です。
福島のお酒が買えるお店・飲めるお店
最後に、今回ご紹介したお酒を中心に、買えるお店・飲めるお店をご紹介します。
買えるお店
福島のお酒が買えるお店の一部をピックアップしてみました。きちんと品質管理がされている環境で、価格が高騰しがちな人気のお酒からめずらしいお酒まで、正規価格で買えるのは日本酒専門店ならではの魅力! ぜひ足を運んでみてくださいね。
一般小売店
福島県観光物産館コラッセふくしま
福島県福島市三河南町1番20号 コラッセふくしま1階
年中無休
9:30~19:00
024-525-4031
https://www.tif.ne.jp/bussan/bussankan/index.html
福島県内のお酒一般、お土産等の特産品を取り扱っています。福島駅からも近くて便利。
日本酒専門店
越後屋酒店
福島県福島市黒岩字遠沖1-1
元旦
10:00~20:00(日曜・祝日は10:00~19:00)
024-546-1529
会津宮泉・会津娘・無為信・会津中将・穏・田村・しぜんしゅ・国権・星自慢・廣戸川・あぶくま・天明・超・自然郷・楽器正宗・陣屋・生粋左馬・山の井・奈良萬・金水晶・他
橘内酒店
福島県福島市南沢又河原前73-52
年中無休
10:00~20:00
024-558-5553
会津中将・曙・あぶくま・一生青春・一歩己・磐城壽・風が吹く・しぜんしゅ・国権・寫楽・土耕ん醸・大七・奈良萬・花泉・京の華・他
きしなみ酒店
福島県福島市天神町1-24
9:00~18:00
024-534-3940
千功成・末廣・奈良萬・会津錦・蔵粋・豊国・他
泉屋酒店
福島県郡山市開成2-16-2
水曜日、第3・4火曜日
10:00~19:00 (日・祝は10:00~17:00)
024-922-8641
https://www.facebook.com/pages/泉屋郡山/145864122115593
有名銘柄からめずらしいお酒まで品揃え豊富
酒の櫻屋
福島県郡山市西田町三町目字桜内213
水曜日
9:00~19:30
024-972-2121
雪小町・会津中将・ゆり・しぜんしゅ・田村・穏・自然郷・一歩己・超・生粋左馬・陣屋・有の川・会津宮泉・会州一・花泉・三春駒・五万石・他
会津屋酒店
福島県郡山市虎丸町9−13
第二日曜日
9:00~21:00
024-935-4113
http://tsuriten.la.coocan.jp/My%20homepage%2020.htm
国権・曙・蔵粋・末廣・榮川・花春・大七・笹の川・自然郷・南郷・雪小町・しぜんしゅ・穏
會津酒楽館 渡辺宗太商店
福島県会津若松市白虎町1
毎週火曜日
9:00~19:00
024-222-1076
会津の蔵元全般
植木屋商店
福島県会津若松市馬場町1番35号
毎週日曜日
9:30~19:30
0242-22-0215
会津の蔵元全般・会津娘・飛露喜・奈良萬・風が吹く・写楽・國権・会津中将・花泉・泉川・天明・他
五ノ井酒店
福島県河沼郡会津坂下町市中一番甲3551
年中無休
9:00 ~18:30(1月~3月)/ 9:00~19:00(4~12月)
0242-83-2170
会津の蔵元全般・央・廣戸川・しぜんしゅ・他
さわきや
福島県いわき市平中町23-3
不定休
10:00 ~18:00
0246-21-5200
ささまさむね・超・天明・会津娘・会津宮泉・登龍・会津中将・廣戸川・一歩己・磐城壽・大七・大平桜・蔵太鼓・他
※福島市、郡山市、会津、いわき各地域での主な店舗について記載。取り扱い銘柄は各酒店HP上の情報(2020年2月5日時点)より
日本酒ファン御用達!福島のレアな地酒や品揃えが豊富な酒屋さん4選【会津編】
飲めるお店
せっかく福島に来たからには、現地で美味しいものやお酒を楽しんで帰りたい!
地元で愛される「福島の旨い!」をその場で味わえるお店をご紹介します。
せっかくなので、お酒といっしょに「ちょっと贅沢な美味しいもの」を食べさせてくれるお店
■福島市
お料理かねと
福島県福島市新町2-29
17:30~23:00
024-524-1158
こだわりの食材・お酒と福島の「おもてなし」を堪能できる名料理店。大切な方との会合にも。
シャモとワインの店 陽風水(ひふみ)
福島県福島市大町2-18 石屋小路ビル1F
月曜日
火~木・日 17:45~L.O. 22:30 / 金・土 17:45~L.O. 23:30
024-522-1455
福島が誇る絶品食材「川俣シャモ」の専門店。豊富なワインと日本酒も自慢です。
肴やKIHACHI
福島県福島市栄町11-10
不定休
18:00~
024-573-4175
https://www.facebook.com/pages/category/Bar/肴や-Kihachi-100170898094762/
有名ホテルや料亭で腕をふるってきたオーナーが独立して開業したばかりの和食店。カジュアルな雰囲気で、一流の素材と技が楽しめます。
■郡山市
粋・丸新
福島県郡山市神明町15-4
日、祝
11:30~14:00(L.O.13:20)/ 17:00~23:00
024-922-1851
郡山で昔から愛されてきた老舗。最近、駅前から神明町の隠れ家的な場所に移転しました。ランチには開店前からいつも行列ができるほどの人気です。
なか田
福島県郡山市清水台1-6-23
毎週日曜・月曜、祝日(日祝は予約応相談)
火~土 17:30~23:00(コースL.O. 20:00、20:00~フリーオーダー)
https://terroage-fukushima.com/restaurant/nakata/
「テロワージュふくしま」に参加している中田シェフのレストラン。都内フランス料理店、ミシュランガイド掲載店にてスーシェフを務め経験を積んだ腕前で、福島の美食をリードする気鋭のお店です。
■会津若松市
鶴我
福島県会津若松市東栄町4-21
11:30~14:00 17:00~22:00
0242-29-4829
https://turuga829.com/
https://terroage-fukushima.com/restaurant/tsuruga-aiduhigashiyama/
会津郷土料理の名店であり、「テロワージュふくしま」にも参加している入谷料理長のお店。会津が誇る数々の銘酒はもちろん、他では滅多に食べられない会津会席や桜肉のフルコースをはじめとした、会津の贅が楽しめます。
■いわき市
鮨いとう
福島県いわき市平字南町73
日曜日
【平日】18:00~21:00(入店)【週末】18:00~(一部)、20:30~(二部)
0246-35-7066
https://www.facebook.com/pages/category/Sushi-Restaurant/鮨いとう-255925867938388/
いわきで至高の鮨を味わうならここ。かなりの高級店ながら人気があり、なかなか予約が取れません。事前予約は必須です。
浅草だるま屋
福島県いわき市平二町目16 マルワビル 2F
16:00~00:00 (L.O. 23:30)
0246-84-5729
https://mimicjapan.com/adaruma.html
港町ならではの本格海鮮が目白押しで、何を食べても美味しい!少人数から最大75人の大人数まで対応できます。
HAGIフランス料理店
福島県いわき市内郷御台境町鬼越171−10
12:00〜 / 18:30〜 完全予約制
0246-26-5174
https://terroage-fukushima.com/restaurant/hagi-french-restaurant/
「テロワージュ福島」に参加している萩シェフのレストラン。世界各国のホテルや大使館、サミットなどでふるってきた腕前で、福島の底力を感じさせる魅惑の料理を提供しています。完全予約制です。
福島のお酒や名物が充実! 飲み比べや食べ比べが楽しいお店
■福島市
焼鶏 はりまう
福島県福島市栄町11-10
024-523-5856
https://retty.me/area/PRE07/ARE163/SUB16301/100000360749/
福島市は、実は「日本7大焼き鳥」の一角を占める焼き鳥の町。はりまうでは、福島といえば焼き鳥! の醍醐味をたっぷり感じさせてくれます。
味処 石舟サン
福島県福島市栄町12-32 ユートピアビル5F
日曜日
17:00~23:00
024-573-2276
https://ishifunasan2015.gorp.jp/
魚を中心とした、気の利いた美味しい小料理をカジュアルに楽しめるお店。福島の地酒との相性もバッチリです!
うまか亭 福島駅ピボット店
福島市栄町1-1(福島駅西口ピボット内)
元旦
11:00~21:00
024-526-2355
http://www.umakatei.com/shop/39.html
近海の美味しい魚を食べられる、上質な回転寿司店。もちろん地酒も楽しめます。気軽に入りやすい上に昼から営業しているので、時間がない人にもおすすめ。
屋台や十八番
福島県福島市置賜5-31
年中無休
17:00~25:00
090-9636-4414
http://yakitori-party.com/yakitorijiisansyoukai/24/
福島の庶民の強い味方。リーズナブルな価格で贅沢な地酒が飲み放題な上に、夕方から深夜までじっくりお酒とおつまみが楽しめます。みんなでワイワイやるにもピッタリ!
郷土料理 いろり庵 東口店
福島県福島市大町2-2
火曜日
16:00~23:00(L.O. 22:30)
050-3463-4592
https://irorian-higashiguchi.gorp.jp/
福島郷土料理と地酒が楽しめるお店。予約をすれば、囲炉裏で焼くメニューも楽しめます。
■本宮市
うまか亭 本宮店
本宮市荒井字久保田132-10-4(エイトタウン内)
年中無休
11:00~21:00
0243-63-5411
http://www.umakatei.com/shop/36.html
近海の美味しい魚を食べられる、上質な回転寿司店。もちろん地酒も楽しめます。気軽に入りやすい上に昼から営業しているので、時間がない人にもおすすめ。
■郡山市
旬膳 くしぜん
福島県郡山市大町1丁目4ー16
日曜日
月・火・水・木 17:00〜00:30 / 金・土 17:00〜01:00
024-935-5007
電話帳のような厚さの充実メニューの中からお酒を選べる人気店。福島の地酒や稀少なお酒も沢山あり、食事のメニューも豊富。郡山が誇る名店です。
春待堂(はるまちどう)
福島県郡山市中町11ー18
年中無休
日~木 17:30~1:00 / 金・土・祝前日 17:30~2:00
024-973-5350
川俣シャモと会津蕎麦、福島の地酒が楽しめるお店。アクセスも便利で、一人からでも気軽に楽しめます。
SHOKU×SHOKU FUKUSHIMA
福島県郡山市大町1-2-15
毎週月・火
水~日 18:00~24:00
024-983-3224
時間制で福島の地酒が飲み放題の、福島づくしのスナック。さまざまな人が行き交うお店で、イベントも盛りだくさん。郡山に来たら一度は寄りたいお店です。
もりっしゅ
福島県郡山市字燧田195
11:00~21:30
024-933-5105
https://www.s-pal.jp/koriyama/floormap/もりっしゅ/
福島県内すべての蔵から1本ずつお酒を集めたお店。駅ナカ、新幹線改札口からすぐの場所にあり、アクセスも便利。
■いわき市
居酒屋てとらぽっと
福島県いわき市平大工町11-6
毎週月曜
火~日 17:00 ~0:00
0246-24-8167
https://www.facebook.com/pages/てとらぽっと/216019111767208
いわき市民に愛される、カジュアルな小料理店。美味しい郷土食や地酒を出してくれます。親しい仲間内での気軽な宴会にもピッタリ。
居酒屋 漁夫 レンガ通り店
福島県いわき市平字田町74
毎週日曜
17:00~24:00
0246-24-0641
http://minamoto-group.com/shop/gyohu-renga
港町いわきで、広く美味しいお魚を提供している「源グループ」の居酒屋。一品一品の肴の旨さは、さすがです。
福島のお酒・まとめ
これまで紹介したお酒と銘柄は、間違いなく福島のお酒の魅力を担う一角ではありますが、それでも記事の文字数の都合から、ごく一部の紹介のみにとどまっています。
評価や品質の上下なく、ご紹介できなかった酒蔵やお酒のなかにも福島には魅力的なお酒がまだまだたくさんありますので、ぜひ、いろんな蔵の個性と味わいを楽しんでみてくださいね!