フォトジェニックな景色に感動! 福島市の自然美を感じる旅
県庁所在地である福島市は、福島県の政治・文化の中心でありながら、豊かな自然に恵まれているのが特徴です。新幹線を使えば、東京駅から約1時間半。季節ごとに美しく表情を変え、その様相を見にたくさんの観光客が訪れます。
今回は福島市の中でも特ににぎわう観光地を、一泊二日のモデルコースで見ていきたいと思います。
1日目
今回の旅の始まりは福島駅東口。福島市は東口の方が栄えていて、市内を循環するバスや商業施設の多くがこちらに集中しています。
福島駅構内から出ると最初に目に留まるのが、福島市生まれの作曲家・古関裕而さんの銅像。2020年3月30日から始まる、連続テレビ小説「エール」のモデルとなった人物です。プロスポーツチームの応援曲や、県内外問わず多くの学校の校歌などを作曲した、福島市が誇るヒーローです。
花咲かじいさんがつくった桃源郷と、青白いにごり湯に夢見ごこち
※2020年の花見山公開は、新型コロナウイルスの感染症予防及び拡大防止のため、3月14日(土)から当面の間、観光客の受けれを中止するという発表がありました(3/13)
春の福島市は、駅前がとてもにぎやか。観光客の方々は一斉にバスに乗り込み、同じ方向へ向かいます。向かう先は「花見山」です。ここは、日本三大桜である「三春滝桜」と共に、福島を代表する桜スポット。春になると30万人ほどの観光客が訪れます。実はここは私有地ですが、約60年ほど前から所有者が公園として無料開放しています。
春になると、トウカイザクラやソメイヨシノなど数種類の桜をはじめ、ウメやハナモモ、レンギョウ、モクレン、ツバキなどが咲き乱れます。色とりどりの花に埋め尽くされているこの山に訪れた写真家の故・秋山庄太郎氏は「福島に桃源郷あり」と形容したそうです。
戦争中の貧しい時代、故・阿部一郎さんが父親と一緒に、長い年月をかけて雑木林を開墾し、生活のために花を植え続けたことから花見山の歴史が始まりました。今では、毎年何十万人もの観光客が訪れる美しい山となりました。阿部氏は「花咲かじいさん」と呼ばれ、絵本や児童書も出版されています。
見渡す限り、ピンク、赤、白、黄色と、カラフルな花々でいっぱい。花の香り、風になびく姿、桜のトンネル……。ここは本当に夢みたいな美しさです。まだ訪れたことがない方は、一生に一度は絶対に行った方がいい! おすすめです!! 小腹がすいたら屋台もありますし、小さい山なのでハイキング感覚で楽しめます。
【ポイント】
- 滞在時間は2~3時間を見ておくといいと思います。
- 花見山は標高こそ低いですが、山です。履き慣れたスニーカーで行きましょう。
【アクセス】
桜のシーズンは一般車両の交通規制が行われ、周辺が渋滞します。福島駅から出ているシャトルバスを利用するのが最もスムーズです。
自家用車の場合は、あぶくま親水公園、渡利多目的グラウンドなどに駐車し、そこから花見山まで往復するシャトルバスをご利用ください。
詳しくはこちらのページをご覧ください。
花見山公園(2020年は、3/14より当面のあいだ観光客受け入れを中止しています)
福島市渡利
花見山環境整備協力金として
・大型バス1台 10,000円
・マイクロバス1台 5,000円
・マイカー1人(小学生以上)500円(臨時駐車場からシャトルバス乗車の際)
一般社団法人 福島市観光コンベンション協会 福島駅東口案内所 024-522-3265
ランチには、ご当地グルメ「円盤餃子」を!
さて、花見山の次はランチにしましょう。福島のご当地グルメといえば円盤餃子。以前、円盤餃子について書いた記事があるので、チェックしてみましょう!
関連記事:一人20~30個は余裕!? JR福島駅から徒歩圏内にある「円盤餃子」の名店ベスト3!
夜が主体の円盤餃子店。ランチで利用できるのは以下のお店などです。
■満腹
〒960-8105 福島市仲間町1-24(ランチは土日のみ)Googleマップ
■照井 福島駅前店
〒960-8031福島市栄町1-1 JR福島駅東口 1F Googleマップ
■鳥政
〒960-8036福島県福島市新町1-17(月~土)Googleマップ
■中華朴伝
〒960-8034 福島市置賜町4-27(月~土)Googleマップ
秘湯感漂う大露天風呂が人気。高濃度の硫黄泉「高湯温泉」へ
お腹が満たされたら、そろそろ宿泊施設に向かいましょう。市内には温泉街が何か所もあるのですが、今回は高湯温泉に決定!
高湯温泉は、白布温泉、蔵王温泉とならび奥州三高湯の一つに数えられ、じゃらんの『全国温泉地満足度ランキング』で2017年・2018年と2年連続で日本一に輝きました。青白いお湯の硫黄泉は薬効成分が高く、神経痛や糖尿病、アトピー性皮膚炎などに効能があるとされています。場所は、福島駅から車で約30分の秘湯感漂う山中です。
写真を見ていただければわかると思いますが、秘湯感丸出し!! 安達屋旅館は「大気の湯」と呼ばれる大露天風呂が目玉です。ひょうたんのように細長い形になっていて、その広さは約30mほど。青白い湯があまりにキレイな色なので、思わず「温泉に来た~!」と叫びたくなります!叫ばないにしても「THE☆温泉」という雰囲気にテンションが上がることは間違いありません。
大気の湯は混浴風呂ですが、女性はバスタオルを巻いて入浴でき、フロントでバスタオルを貸してくれます。どうしても混浴に抵抗のある方は、18時から21時の時間が女性専用となっているので、安心して入浴してくださいね。
事前に連絡しておけば福島駅西口までお迎えに来てくれるので、車がなくても大丈夫。
この高湯温泉のほか福島市近郊には、松尾芭蕉も立ち寄ったという鯖湖湯がある福島の奥座敷「飯坂温泉」や、開湯1400年と伝えられ、こけしで有名な「土湯温泉」など、名湯が点在しています。
関連記事
ロケーションよし!バラエティに富んだ福島市の温泉11選
秋の福島はココに行けば間違いなし! 王道の紅葉スポット×温泉郷♨ 5選
【2019年版】花より団子?文化も食も味わいつくす 春の福島市観光
2日目
かわいい雑貨やお土産、ランチも楽しめる「アンナガーデン」
2日目は高湯温泉からそう遠くない場所にある「アンナガーデン」でまったりしましょう。ここはヨーロッパの雰囲気漂う場所。英国風の教会や店舗が立ち並びます。
メイン広場にあるのは、聖アンナ教会。ここから、アンティーク家具や雑貨、福島県産のドライフルーツ、ジェラート、福島の地ビールのお店など、全部で18のお店や施設が広がります。人気のピザ店などもあるので、ここでランチを。
まさに桃源郷「花ももの里」
さて、次は花ももを見に行ってみましょう。花ももとは、花を観賞するために作られた桃の木。例年、桜が終盤に差しかかる頃に満開になります。
福島市飯坂町にある「花ももの里」には、80アールの敷地に約300本が植えられています。世界中から集めた40品種のハナモモを栽培し、一般開放。お年寄りから子ども連れまで多くの人が集まります。筆者はハナモモの濃いピンクがとても好きで、毎年のように足を運んでいます。駐車場もそれほど混んでいないし、隣には子どもが遊べる公園もあるので、ピクニックがてら気軽に行けますよ。
花見のあとは甘いスイーツ♡ 果物丸ごと食べられるパフェ
福島の名物といえば、果物です。福島市北部には「フルーツライン」という道路が走っており、軒並み果樹園がズラリ。春はいちご、夏は桃、秋はぶどうや梨、冬はりんごなど、四季を通して果物に事欠きません。
なかには果樹園に併設し、採れたてのフルーツが食べられるカフェなどがあります。
関連記事:福島で味わえる “インスタ映え” な夏のひんやりご当地スイーツ6選!
季節のフルーツにかぶりつくのが、もしかして一番福島らしいかもしれませんね。果物の販売もしているので、お土産にも喜ばれます。
まるせい果樹園直売所
福島市飯坂町平野字森前27-3
無休
平日10:00~16:00 土日祝10:00~17:00(ラストオーダーは各閉店15分前)
024-541-4465
おすすめのお土産店はココ!
お土産を買うなら、福島駅西口「コラッセふくしま」の1階にある「福島県観光物産館」がおすすめ。
ここでは、福島県の名産品や民芸品、お酒からスイーツまで、ふくしまのお土産が一通り揃っています。
会津塗、起き上がり小法師、あかべこ、ままどおる、いもくり佐太郎、酪王カフェオレ、喜多方ラーメン、日本酒から馬刺しにいたるまで、種類豊富!
さらに、イートインスペースもあり、「べこの乳」のソフトクリームや日本酒などが気軽に楽しめます。特に人気の日本酒は、7年連続で金賞受賞日本一に輝いただけあって充実の品ぞろえ。6種類の中から好きなを3種類をおちょこで3杯選べる飲み比べセットなどもあるので、福島自慢の味をその場で味わってみてくださいね。
最上階には、展望スペースが。福島市内から吾妻山まで一望できる大パノラマが広がります。福島は山に囲まれた盆地。ここから見ると、山に囲まれた独特の地形がよくわかります。椅子やテーブルもあるので、ゆっくり絶景を楽しんでください。
イベントも定期的に行われていて、市民にも愛されている観光物産館。あまり目立たないのか、思ったよりも観光客が少ないので穴場ですよ!!
関連記事:福島駅前で旬な日本酒を飲み比べ!県民ファンも多い福島観光物産館はこんなところ
福島県観光物産館
福島市三河南町1番20号 コラッセふくしま1階
年中無休
9:30~19:00
024-525-4031
美しい「魔女の瞳」と秋の紅葉 スカイラインでセンチメンタルを感じて
自然を求める旅がおすすめの福島市。春ではなく、夏や秋の場合はどうでしょう。新緑の頃や紅葉の季節の目的地を見ていきます。
高湯温泉から、浄土平を経て土湯峠に抜ける、平均標高1,350m・全長約29kmの山岳観光道路「磐梯吾妻スカイライン」。夏は涼を、秋には紅葉の景色をお目当てに訪れる観光客が多いです。
夏のスカイラインは、浄土平湿原や鎌沼周辺の散策や、一切経山に登って五色沼(通称「魔女の瞳」)を眺望するコースはいかがでしょう。清々しい景色に心奪われるはず。
秋にはまた違った顔を見せてくれ、紅葉を見るためにたくさんの人が訪れます。福島の紅葉といえばこのスカイラインがメジャーですからね。ドライブしながら吾妻連峰の一面に広がる紅葉が楽しめ、「天狗の庭」や「つばくろ谷」など、いくつかのビューポイントがあります。
関連記事:
ツーリングに最適!雲上ドライブができる磐梯吾妻スカイライン巡り
標高1900m超の景色は圧巻!浄土平から一切経山の頂をめざし “魔女の瞳” を覗き込む
標高1,600mから見下ろす大パノラマ!浄土平の見どころ5選
関連記事:秋の福島はココに行けば間違いなし! 王道の紅葉スポット×温泉郷♨ 5選
山まで行くのに抵抗がある方は、福島市郊外にある大きな公園をご案内します。
「あづま総合運動公園」は、秋になると520mにも渡る116本の銀杏並木が人気を集めています。この道を歩くためだけに訪れる人もたくさん。犬の散歩や子どもたちの落ち葉拾いにもおすすめです。筆者はこの長い銀杏並木を歩いていると、センチメンタルな気分になります。そんな気持ちになるのは、秋らしさを感じる証拠なんでしょうね…。
夜にはライトアップされ、ハロウィンの時期はお化けかぼちゃも飾られます。
あづま総合運動公園
福島市佐原字神事場1番地
毎週火曜、年末年始
(火曜日が祝日の場合は翌日の平日)
体育館等屋内施設 9:00~21:00
定休上等屋外施設 9:00~17:00
024-593-1111
まとめ
福島市には、美味しい空気と感動的な絶景を楽しめる観光スポットがたくさん!そして、季節によって見どころが全然違います。今回の記事で、あなたが目にしておきたい絶景は見つかりましたか?
現地に訪れた時の感動を、実際に感じてもらえたらうれしいです。