一人20~30個は余裕!? JR福島駅から徒歩圏内にある「円盤餃子」の名店ベスト3!
餃子といえば宇都宮市や浜松市が有名ですが、福島市も餃子ファン必見のエリアだということをご存じですか? 福島市内には数多くの餃子専門店が並び、ご当地グルメとして広く市民に愛されています。
福島TRIPでもこれまで小出しにしてきた円盤餃子ですが、今回は満を持してご紹介させていただきます!
▲福島市のシンボル「吾妻小富士の雪うさぎ」
そもそもみなさん、「円盤餃子」をご存じですか?
円盤餃子とは、餃子をフライパンに敷き詰めて、UFOのような独特な円盤状に焼き上げたもの。1皿に20~30個と数が多く、素材に野菜を多めに使うことでヘルシーに食べられるように工夫してあります。
(写真:「ふくしまの旅」より)
この餃子の歴史は、古く戦後までさかのぼります。
敗戦後、満州から引きあげてきた人々がそこで味わった餃子を基に作り上げたものだといわれています。
満州といえば水餃子が主流ですが、現地で働く使用人たちは残り物の水餃子を中華鍋にビッシリ並べて焼き、皿にひっくり返して食べていたそう。それを試行錯誤の末、フライパンで再現したのが円盤餃子の始まりです。
福島市には満州からの引き揚げ者が多く、「懐かしい味だ」とたちまち評判になりました。
終戦後、現在の福島市街地にある「福島稲荷神社」付近にあった“闇市”では、多くの人々が生計を立てるために飲食業を営んでいました。
円盤餃子はそんな戦後の混乱の中で少しずつ広まり、安くて旨くてボリュームがある餃子と仕事帰りのお酒を求め、街はサラリーマンであふれました。その名残で、市内に十数軒ある餃子専門店のほとんどはランチタイムの営業がなく、夕方からの営業が多いんですよ! 仕事帰りにビールと餃子!! 今も昔も大人たちの求めるものは変わらないんですね。
こうして円盤餃子は飲み屋のつまみとして福島市内に広まり、続々と専門店が生まれ、それぞれの店が独自の味を作り上げていきました。
あっさり系、モチモチ系、エゴマ豚の餃子、よもぎを練り込んだ皮など個性豊か。あなたの推しはどのお店?
現在では「ふくしま餃子の会」も発足し、各店舗が一丸となって全国餃子万博や餃子サミットなどのイベントへ積極的に参加しています。
そんな中から今回は3軒をピックアップ!
お酒を飲んでも帰りやすく、出張の方でも立ち寄りやすい、JR福島駅から徒歩圏内のお店を選びました。
餃子の照井 福島駅東口店
ここは、メディアや雑誌でもよく紹介されている人気店。市内に3店舗を持ち、福島駅東口店は、出張や旅行の方々も気軽に立ち寄れると評判です。
注文を受けてから自家製の薄皮でこだわりの餡を包み、多めの油で一気に焼き上げる餃子。揚げ餃子に近いパリッとした食感と自家製のタレがやみつきになりますよ!
1皿に22個入っていますが、わが家ではおいしすぎていつも一瞬でなくなってしまいます。半皿11個のメニューもあるので、一人でフラッと立ち寄ることもできるのが嬉しいですね。他にも、店内ではラーメンやいかにんじん、福島の地酒なんかも味わえます。
この店舗はランチ営業も行っていますので、気軽に立ち寄ってみてくださいね。
福島市栄町1-1 福島駅東口1F(交番前)(Googleマップ)
024-523-0188
11:00~15:00(L.O.14:15) 、
17:00~21:00(L.O.20:00)※餃子がなくなり次第終了
毎週火曜日
元祖円盤餃子 満腹
円盤餃子のお店を語るにあたって外せない、発祥の老舗店です。このお店では創業者である故・菅野かつゑさんの「餃子は皮で食べるもの」という教えを忠実に守り、今も皮にこだわって提供しています。その作業過程は、おどろきの丁寧さ。
まずは2種類の小麦粉と水(硬水と軟水)をブレンドし、手練りしてから2日間寝かせます。寝かせている間に2回ほど練り返し、皮が完成。そうやって作られた特製の皮は注文を受けてから手際よくのばされ、白菜たっぷりの餡を包み込みます。
焼き上げるのはほんの数分かもしれませんが、私たちの知らないところでこんな手間暇がかけられていたんですね。コレはおいしいはずだわ。
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小ぶりな餃子の中に白菜多めの具がほど良く詰められ、甘みとコシのある皮がパリモチの食感♪ タレにつけなくても十分に味わい深いですが、酸味のある自家製タレをつけても旨い! 絶妙なキツネ色の焼き加減にも脱帽です。
注文は、1皿30個から10個単位で行い、テイクアウトには別途、箱代(30円)が必要です。
福島市仲間町1-24(Googleマップ)
024-521-3787
月・木・金曜日16:30~、土・日曜日11:30~(※どちらも餃子がなくなり次第終了)
火・水曜日(祝日の場合は営業)
山女(やまめ)
ぷっくりと膨らんだ丸いフォルムが特徴的。ここ「山女」の餃子は肉厚でモチっとした皮を、揚げ焼きに近いかたちで焼き上げています。こんがりキツネ色の焼目が美しいやら、可愛らしいやら……。思わず感嘆の声をあげてしまう方も多いのではないでしょうか。
皮も特徴的ながら、ザクザクと大きめにカットされた野菜たっぷりの餡にも注目です。あっさり系でサクッと歯切れが良く、1皿20個をペロリと完食できます。おひとり様のご来店はハーフサイズの注文も可能なので、仕事帰りにちょっと立ち寄る方も多数。
また、こちらでは水餃子も提供しています。厚めの皮が、茹でるとモチモチ感パワーアップ。プリッとしていて、皮と餡の旨味をじっくり味わうことができます。
さらに、店内には地酒も豊富にそろっていて、おつまみメニューも豊富。黄昏時になると多くのお客さんが一日の疲れを癒しに集まってきます。
福島市早稲町5-23(Googleマップ)
024-523-1772
17:30~L.O.21:30(※餃子がなくなり次第終了)
日曜、祝日
円盤餃子があのお菓子に?!
円盤餃子の人気っぷりを表すかのように、菓子メーカーの「カルビー」から2019年7月に「ポテトチップス 円盤餃子味」が、数量限定のご当地モノとして発売されました。
野菜のうま味とジューシーな肉汁が凝縮された風味豊かな味わいで、ヨークベニマルとイトーヨーカドー(東北と北関東の一部店舗)で販売されました。
まとめ
福島市民のソウルフードとして、戦後の復興とともに歩んできた円盤餃子。現在では、県内外から多くの方が食べにくる人気グルメに成長しました。
今回は駅近3店舗のみのご紹介でしたが、他にもまだまだおいしいお店は盛りだくさん! ただし、円盤餃子を提供するお店は地元でも人気があり、どこも行列確実な店舗ばかりです。
そこで、待つのが苦手な筆者は事前にテイクアウトで注文をしておいて、夕方の開店と同時に取りに行き、その日の夕飯に出すという裏技を駆使しております(笑)。野菜もたっぷり取れるし、おいしいし、テイクアウトができるのは助かりますよね。
一方で、店内でしか飲食できないメニューや、ご当地感満載のアットホームな雰囲気を体感していただきたいのも事実。お店によっては店舗前に足湯を設置(餃子の照井 飯坂本店)し、待ち時間も楽しみながら待てるようにするなどの工夫もみられます。
餃子の味も雰囲気も各店舗ごとに違いますので、みなさんもぜひお好みのお店を探してみてくださいね。