ホタルの乱舞を見るならここ! 初夏の宵、福島県内有数のホタル鑑賞スポットでロマンチックな気分にひたる
(写真:桑折町役場)
みなさんはホタルを見たことがありますか? おそらく大多数の方は、実物を目にしたことがないのではないでしょうか。
「どこに行けば見られるかわからないし……」
そんなときは、豊かな自然に囲まれた福島県におまかせください!
今回は、福島県内でもとっておきのホタル鑑賞スポットをご紹介します。
ホタルが舞う姿は、期間限定の夏の風物詩。6月中旬から7月初旬までが最盛期です
県内にホタルの鑑賞スポットはいくつもありますが、今回は伊達郡桑折(こおり)町にある「産ヶ沢川(うぶがさわがわ)」のほとりにクローズアップ。
桑折町は宮城県との県境付近にあり、県庁所在地である福島市からは国道4号線をまっすぐ北上して車で約30分。福島県のほぼ最北端に位置しています。
「献上桃の郷」として知られる町で、特産品である桑折町の桃「あかつき」は、毎年皇室に献上されるほどの逸品。春は桃畑の濃いピンク、夏は深々とした緑、四季折々の表情を見せてくれる美しくのどかなロケーションです。
(↑肉厚でジューシーな「あかつき」。甘みも強い)
そんな自然に恵まれた環境には、やっぱりいるんですね。
ホ・タ・ル!
この町は桃だけでなく、ゲンジボタルの生息地としても知る人ぞ知る場所なのです。
東北有数のホタル観賞スポット・産ヶ沢川ホタル自然公園
中でも町内にある「産ヶ沢川ホタル自然公園」は、福島県内はもとより東北でも有数のホタル鑑賞スポットで、6月中旬以降のピーク時には一晩で3,000匹を超えるホタルが幻想的な姿を見せてくれるんです!
(写真:桑折町役場)
桑折町ホタルまつり
毎年行われている「桑折町ホタルまつり」には屋台も出店され、周囲は賑やかな雰囲気に。今年は6月21日(金)~25日(火)19:00から開催されます。
21日(金)18:30からのオープニングセレモニーには、桑折町観光大使の「ホタピー」や、キャンペーンガールの「スマイルピーチ」が登場。また6月24日(月)19:00~21:00には一眼レフユーザー対象・初心者向けの「ホタル写真撮影会」が行われ、カメラマンによる指導も受けられるそうです。こちらは定員10名(先着順)とのこと。詳しくは桑折町産業振興課(TEL:024-582-2126)までお問い合わせください。
やわらかな曲線を描いてふんわり舞う幻想的な光。そのロマンチックな光景に思わずうっとり♡
初夏の訪れを感じる貴重なひとときは、素敵な思い出になること間違いなし! 筆者も何度か現地を訪れたことがありますが、どこからともなく現れる幻想的な光に毎回感動させられます。
ホタルが光りながら飛ぶのは、交尾時期の約2週間だけ。どこか儚げに思えるのは、間近に迫る命の期限をそこはかとなく感じるからでしょうか。
実際のホタルの映像↓
光を放ちながら飛んでいるゲンジボタルはほとんどがオス。メスは草や木の葉にじっととまって、小さな光を出しながらオスが来るのを待っています。
光り方は3種類あり、①プロポーズのための光 ②刺激された時の光 ③敵を驚かせるための光 と使い分けてコミュニケーションを取っているようです。
また、光る秒数は生息地によって違い、東日本は1回の点滅時間が2~4秒と長め。この地域差を「ホタルたちの方言」と、例える人もいるようですよ。
ホタルが出没しやすい条件
風がない
・ホタルの大きさは1cmほど。風が強いと飛べません。気温と湿度が高い
・気温は20℃以上が最適。
・雨の後などジメジメした日は、たくさん現れる確率が高いです。20時から21時頃
・夕暮れ時は飛びません。日没後、辺りが真っ暗になってから飛び始めます。
・月があまり出ていない薄曇りの日が最も良いでしょう。
ホタルと額紫陽花・・
福島県伊達郡桑折町産ヶ沢川ホタル公園
昨夜です・・ pic.twitter.com/gG660Q8vVp— 喜右衛門 ☆ (@toshikatu0214) 2017年7月1日
美しい輝きの裏には町民の努力があった
実は以前、ここ桑折町のホタルは絶滅の危機におちいったことがあるんだとか。
しかし平成10年、地域住民を中心とした「桑折町ホタル保存会」が発足。川の清掃活動などを懸命に行うことで、再びたくさんのホタルが見られるようになったという経緯があります。その苦労が初夏の夜空を彩る、神秘的な姿を守っているんですね。
美しい里山を守るも生かすも、わたしたち人間次第。微力ではありますが、福島TRIPもホタルと共生する環境づくりを陰ながら応援します。
……と、いうことで。
ホタルを鑑賞するにあたって、いくつか注意点をお伝えします。以下をご参照の上、マナーを守って鑑賞しましょう。
ホタル観賞時に気をつけたいこと
- カメラのフラッシュや懐中電灯はNG
- 大きな音を立てない
- ホタルの住める環境保全のため、ゴミは必ず持ち帰る
- 捕まえたり、持ち帰るのは禁止
- 保護者は子どもから目を離さない
水と土のきれいな環境でしか生息できないホタル。どうかいつまでもホタルの住めるキレイな町でいてほしいですね!
(写真:桑折町役場)
ホタルまつり期間中のシャトルバス運行について
桑折町ホタルまつりの期間中と、翌週の29日(土)~30日(日)には、臨時駐車場からホタル自然公園のあいだを結ぶ、無料のシャトルバスが運行されます。ホタル自然公園付近には駐車場がなく、大変混雑する恐れがあるため、一般車両の乗り入れはご遠慮くださいとのこと。なによりホタルの生息する環境を守るためにも、シャトルバスや電車など、なるべく公共交通機関を利用しましょう。
なお、JR桑折駅から「産ヶ沢川ホタル自然公園」までは、徒歩10分ほどです。
シャトルバスの運行時間やホタルまつりのチラシなど、詳しくは 桑折町公式ホームページ観光情報「ホタルだより」をご覧ください。
産ヶ沢川ホタル自然公園福島県伊達郡桑折町万正寺 産ヶ沢川流域
東北自動車道「国見IC」より車で9分(臨時駐車場有) / 東北本線「桑折駅」より徒歩10分鑑賞可能期間:6月中旬〜7月上旬頃
024-582-2126(桑折町役場産業振興課)
【おまけ】地元の食材に舌鼓。さらに桑折町を満喫したいならココ!
立ち寄りスポット
食と農の交流拠点として2018年4月にオープンした「Legare Koori(レガーレこおり)」。
施設内にあるレストラン『PizzaSta(ピザスタ)』は、オープン以来人気のお店です。地元の野菜やフルーツがたっぷり乗ったピザは、店内の石窯で焼き上げられ、モッチモチの触感。他にも、ピザづくり体験(要予約)や地元の特産品、朝採り野菜などを販売するマルシェも定期的に開催しているので、軽食やお土産の購入に立ち寄ってみてはいかがでしょうか。
(写真:桑折町役場HPより)
ここ
【PizzaSta(ピザスタ)】福島県伊達郡桑折町大字下郡字下郡前5-2
024-572-3217
平日 11:00~15:00(L.O.14:30)、17:00~20:00(L.O.19:30)
土日祝 11:00~20:00(L.O.19:30)
定休日:月曜日(祝日の場合営業、翌日休み)
宿泊施設
ホタル観賞となるとどうしても夜になるので、遠方から訪れる場合、帰るのが面倒。できれば近くに宿泊したいですよね。
桑折町でおすすめの宿は「桑折町民研修センター うぶかの郷」です。ここは、日帰り温泉施設として地元の方々が集う場所でもあります。産ヶ沢川に隣接しており、この施設自体も有名なホタルの鑑賞スポット。入浴後、徒歩でホタル観賞に行けるのも気軽でいいですね。
ホタル祭りの期間中は、車両規制の可能性がありますので、予約の際にはご確認ください。
桑折町民研修センター うぶかの郷福島県伊達郡桑折町大字南半田字川端22
024-582-4500
第2・4火曜日(祝祭日のときは営業)
駐車場:45台
https://www.town.koori.fukushima.jp/kankou/activity/nature/4789.html