福島はこれから!桜前線まもなく到着♪いわき近郊のお花見スポット【桜の名所MAP更新】
今日3月27日は『さくらの日』。気象庁の発表では、ちょうど今日、東京で桜が満開になったとのこと、いよいよ本格的な春ですね!
福島でもまもなく桜が咲き、見ごろを迎えます! 福島TRIPでも、桜の花の特集は毎年力を入れて行っており、今年もたくさんのお花見スポットが紹介されました。
この記事の地図を見ると、今までに福島TRIPで紹介した場所がぜーんぶまとめて確認できます♪
【2019年版】お花見シーズン目前!必見・郡山市内の桜の名所7選+2(桜の名所MAPつき)
…ん?
しかしこれは……
なんということでしょう!
浜通り(※)のお花見スポットがごっそり抜けている…!
(※ 福島県は、南北に連なる阿武隈高地と奥羽山脈で縦に3分割し、阿武隈高地の海側を「浜通り」、真ん中を「中通り」、新潟に接する奥羽山脈側を「会津」と分けて呼んでいます。天気予報でもおなじみです)
というわけで緊急企画として、浜通りのとっておきお花見スポットを紹介させていただきます! 今まで県外の方には秘密にしててすみませんでした!
浜通りの桜前線の順番通り、南側から紹介していきますね♪(なお、中通りの場合は標高差の違いもあって、桜前線は北から南に南下します)
いわき市のお花見
勿来の関跡(いわき市勿来町・4月上旬)
まずは福島県浜通りの南の玄関口、いわき市から。いわき市の中でも最南端にあり、茨城県との県境である勿来(なこそ)町。ここには常陸国(ひたちのくに)と陸奥国(むつのくに)の国境となっていた「勿来の関」という古代の関所があったといわれています。名勝の地の桜です!
(写真:ふくしまの旅より)
「勿来」という言葉は和歌の枕詞にも多く使われ、小野小町、紀貫之、和泉式部、西行法師なども歌に詠んでいるほか、斎藤茂吉や山口茂吉、徳富蘆花、角川源義、中里介山などが文学作品に残してきました。
現在、勿来の関跡とされている場所には勿来関文学歴史館が建てられており、太平洋を臨む風光明媚な場所に歌碑、春には歌にも詠まれた山桜を楽しむことができます。
また、古式ゆかしい山桜だけでなく、おなじみのソメイヨシノもたくさん。合わせて約600本もの桜があるのです!
今年も、3月30日から「勿来関桜まつり」が開催予定となっています。「勿来」というのは「来ること勿れ(なかれ)」という意味ですが、ぜひ来てください(笑)
この地より北が、いよいよ東北。歩みを北へと向けてみましょう♪
松ヶ岡公園の桜(いわき市平・3月下旬~4月上旬)
続いては、いわき市の中心部にあるJRいわき駅からちょっと歩けば行ける場所、松ヶ岡公園の桜です。
(写真:ふくしまの旅より)
明治30年の昔から市民に親しまれていた公園には、ソメイヨシノが約280本。河津桜など早咲きの品種をのぞけば、福島県内で最も早くから楽しめる桜の名所として人気です。
私も子供の頃にはこの公園によく連れてきてもらっていました。家族連れのピクニックなどにも最適です♪
小川諏訪神社の枝垂れ桜(いわき市小川町・4月上旬)
いわき駅からJR磐越東線で山へ向かい、やや北西の阿武隈高地のふもとにある小川郷駅へ。徒歩約15分ほどの小川諏訪神社の境内には、いわき市の天然記念物に指定されている、推定樹齢500年を超えるといわれる枝垂れ桜があります。その大きさ、樹高は11.5m。幹回りが3.6mという圧巻の大きさです。
(写真:ふくしまの旅より)
この桜は4月1日~14日まで夜間にライトアップされますが、これには電灯だけでなく、かがり火や竹の燈籠まで使われるのだとか!
また、しだれ桜まつりというお祭りも毎年開催され、今年は4月6日(土)の夜19時から雅楽の演奏、7日(日)お昼13時からは鳶職(とびしょく)さんによる梯子乗りが予定されています。
【双葉郡の桜の名所】
富岡町夜ノ森(よのもり)の桜並木(双葉郡富岡町・4月上旬)
続いては浜通りの中央部近く、双葉郡富岡町から。富岡町でなんといっても有名なのは「夜ノ森」の桜並木でしょう♪
夜ノ森は古くは南の岩城家と北の相馬家の国境であった地域。夜ノ森を境に、南側が楢葉(ならは)、北側が標葉(しねは)という地域であり、この二つの「葉」が合わさって「双葉郡」が生まれたといわれています。
この地に明治時代末期に植えられた樹齢100年を超える桜並木は約1500本にものぼり、福島県内屈指の桜の名所として親しまれてきました。
実は、富岡町は私にとって先祖代々の出自の町でもあります。夜ノ森の桜もまた、子供の頃からとっても馴染み深い、自慢の桜です!
しかし、富岡町は8年前の東京電力福島第一原発の事故によって、一時は全町が避難区域となってしまっていました。町の一部には現在も規制されている地区が残り、夜ノ森の桜並木も一部が境界の中に入っているため、残念ながら今はまだ、すべてを自由に見ることはできません。
でも、残念なニュースばかりではありません! 富岡町では8年間にわたって積み重ねられた復興への尽力によって、除染も進み、少しずつ住民や日常の暮らしが戻りつつある地区も増えています。
加えて、今年は富岡町桜まつりが開催される4月6日(土)に限って、夜ノ森の中の普段立ち入りが制限されている区域内にも、バスによる桜の周遊観覧が行われることになりました!
この区域内の桜こそが、夜ノ森の桜の本領ともいえる場所。ぜひ、この貴重な機会に夜ノ森の桜を、復興の最前線を、私の故郷を見に来てくださいね!
宝泉寺の桜(双葉郡富岡町・4月上旬)
続いて同じ富岡町からもう一つ、宝泉寺の紅枝垂れ桜をご紹介します。こちらは町の南側の、避難が解除された地域の中にあります。
樹齢は900年以上、平安時代から生き続けているといわれる県内屈指の古木の樹高は12.5m、幹回りは5mにもおよびます。木のすぐそばまで近づくこともできるので非常に見ごたえがあり、おすすめです!
富岡町では今年、4月5日(金)~4月14日(日)の夜18時~20時まで、この宝泉寺の桜と、上記夜ノ森の桜並木のライトアップが予定されていますので、ぜひ合わせてお楽しみください♪
【相馬地域の桜の名所】
南相馬市夜の森公園の桜(南相馬市・4月上旬)
続いては、双葉郡から北上して南相馬市へ。ここ南相馬市の桜の名所は、なんとこちらも「夜の森」という名前の公園です。
桜の時期には屋台が出てにぎやかになるほか、小さなお子さん向けの遊具もたくさんあります。
今年は4月3日~17日の期間、18時~21時に夜のライトアップも行う予定となっています。
中村城跡公園 馬陵公園の桜(相馬市・4月上旬)
南相馬市から北へ向かうと、相馬市に入ります。ここでは相馬家の居城があった中村城跡のお堀周辺「馬陵公園(ばりょうこうえん)」の桜が有名です。
相馬家は、鎌倉時代から幕末まで同じ一族が同じ土地を統治し続けたという、国内でも稀有な歴史を持っています。
そんな相馬家が拠点とした中村城跡の公園は、今は630本の桜が咲き誇る憩いの場。無形文化財である相馬野馬追で有名な中村神社もあります。
今年の桜まつりは4月4日(木)~16日(火)まで。藩政時代の面影を感じさせるお城の桜は、圧巻です♪
伊達と相馬の境の桜(相馬市/伊達市・4月中旬)
最後にご紹介するのは、相馬市から西へ、福島県中通りに向かう国道115線にある桜です。
ここは、花見を楽しむ……というのに加えて、歴史を感じて楽しむための桜でもあります。
相馬家と伊達家は、50年間に30回以上も合戦を繰り返し、いずれも譲らなかった好敵手同士。その両家がついに和平し植えられた「伊達と相馬の境の桜」が、この地方に伝わる「相馬二遍返し」というお国自慢の民謡に歌い上げられています。
相馬地方には江戸時代に天明の飢饉で領内の人口が激減した際、現在の富山県や石川県からたくさんの人々が移り住んできていますが、そうした移民を勧誘するためのPRとしてこの民謡が歌われたといわれています。
実際の桜は相馬街道(福島県川俣町と飯館村)の境界、水境神社に植えられていたとされていますが、現在の桜はその故事にちなんで、昭和46年に福島県伊達郡霊山町(現・伊達市)と相馬市との境界に植えられた桜です。
(写真:相双ビューロー)
桜の傍の碑には、以下のように刻まれています。
『由来
むかし伊達氏と相馬氏は共に下総国(茨城県)からこの地方に下向した親しい仲であり以来長い世代にわたり共に栄えて東北の二大古豪とうたわれた。
両雄並び立つために時には境を争うこともあった。しかし仲よく話し合い互いに負けず劣らず実力を蓄え地方の開発に力を注いだ。人びとはこの境の地に桜を植え
伊達と相馬の境の桜
花は相馬にみは伊達に
と、この善政を謳歌した。本日有志相はかって由緒の地に更に新しい桜を植え昔を偲び今後の交流、発展を期するものである』
【まとめ】
以上、本当はもっとたくさんお花見の名所がありますが、駆け足で福島県浜通りの代表的な桜のスポットを紹介してみました!
浜通りは、福島県内でも桜前線の先駆け。開花の時期はまもなくです!
ぜひ今週末や来週末は、お花見に出かけてみませんか?
【おまけ】
せっかく浜通りを訪れるなら、グルメも楽しみたい! のは当然ですよね♪
おまけとして、この地域でのオススメを簡単に紹介しますので、ぜひ楽しんでくださいね。
いわきのグルメ
いわきといえば、やっぱり常磐ものの海の幸! 親潮と黒潮がぶつかる潮目の海は、世界3大漁場ともいわれるほど海の幸に恵まれています♪
なかでも、いわきの市の魚とされているのが「めひかり」。特にこの地域のめひかりは、ほかの地域以上に脂の乗りがたっぷりで美味しい! らしいのです。ほかにも、郷土料理の「サンマのポーポー焼き」もおすすめです!
合わせる地酒は「いわき郷又兵衛」。かの、故・三国連太郎氏が釣りバカ日誌のロケでいわきを訪れた際に惚れ込んだといわれる銘酒は、ダンディズム漂う素敵なお酒です。
双葉のグルメ
復興のシンボルとして人々が楽しく集う市場をイメージして建設された、浪江町の「まち・なみ・まるしぇ」などもおすすめです。町役場脇につくられた仮設商店街で、食事やショッピングが楽しめます。
ここでおすすめなのは「海鮮和食処くろさか」さんの海鮮丼。主に相馬港水揚げの魚を使った海鮮や郷土色をイメージしたメニューは、わざわざ訪れてでも食べる価値があります。
また、同じマルシェ内の酒屋さんで買える「磐城壽(いわきことぶき)」は、もともと双葉郡浪江町にあった造り酒屋さんが山形に避難し、昔と同じ酵母を使って造る酒。白身魚やカツオの刺身にとてもよく合うお酒で、辛さでニオイを切るというよりも、ニオイに負けないくらいに魚の旨味をさらに強める……というようなお酒。一度ハマるとクセになる、とっても美味しいお酒です。
相馬のグルメ
南相馬市の小高には、震災前から大人気のラーメン店「双葉食堂」があります。少し前まで南相馬市鹿島区の仮設商店街で営業していましたが、今は小高駅前の元の店舗で営業を再開しています。昔ながらの中華そばが、実に美味しい!
また、相馬市に行くと名物の「ほっきめし」が味わえます。これは松川浦の「旭亭」さんや「たこ八」さんに行くと味わえます。
最後に、相馬の松川浦は海苔の名産地として有名ですが、変わり種としてこのお酒を。
なんと、松川浦産の青のりを使用した本格焼酎で、二本松市の人気酒造さんが手がけています。
飲んでみると、思わず笑みがこぼれてしまうくらい、とびっきりの「青のり味」! すさまじい個性です。
これはもう「お好み焼き」「たこ焼き」に合わせて、ここまでベストなペアリングができるお酒はほかにない! というレベル。話のタネになる……というばかりでなく、本当に美味しいし面白いので、ぜひお土産に探してみてください。
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