【2019年版】花より団子?文化も食も味わいつくす 春の福島市観光
みなさん、こんにちは! 3月になってすっかり暖かくなってきましたね。
今年は雪も少なめの暖冬で、春の訪れも心なしか早く感じます。
もちろん福島もすっかり観光日和! この春は特に、福島市への観光がオススメです!
なぜなら、福島市にある福島県立美術館で3月26日から5月6日まで「東日本大震災復興祈念 伊藤若冲展」が開催されるからです。
伊藤若冲(いとう じゃくちゅう)といえば、江戸時代中期に生きた画人。独創的なタッチで自然と生命の躍動感や息吹を絵に残した、日本を代表する画家の一人です。
若冲は85歳で天寿を全うするまでに数多くの作品を手がけたことで知られていますが、72歳のときには京都で、応仁の乱の戦火を上回る被害といわれる「天明の大火」に見舞われます。
今回の福島での展覧会では「京都から大阪に避難した若冲が描いた西福寺のふすま絵・蓮池図には、荒れ果てた京都への一筋の希望が託されている作品として展示される」とあり、震災から復興を続ける福島の想いを重ねての企画であるとのこと。
その規模も、若冲作品だけで約100点にもなる大規模なもの! これは美術ファンならずとも、ぜひ観にいきたいところですね!
また、春の福島市の魅力はそれだけじゃありません! これから順を追って、3つポイントを挙げてみましょう♪
花まっさかり!の桃源郷
「福島に桃源郷あり」と言わしめた花見山は、もはや全国的に有名な観光スポットですね。昨年の記事でもご紹介しましたが、春ともなるとまさに百花繚乱。写真だけでは伝わらない、匂いや風、たたずまいなど独特の「空気感」のようなものは、やっぱり現地に行かなくてはわからないのです。しかも、春限定の楽しみ方です。
福島は首都圏からの交通の便も思った以上に良いので、これはもう、行かなきゃソンソン♪
※2020年の花見山公開は、新型コロナウイルスの感染症予防及び拡大防止のため、3月14日(土)から当面の間、観光客の受けれを中止するという発表がありました(3/13)
源泉源泉、また源泉。ありあまるほどの天然温泉だらけ!
そして福島市を語る上で忘れちゃいけないのが、魅力的な温泉の数々。ヤマトタケル伝説にも出てくるほど古くからあり、西行法師や松尾芭蕉も訪ねたという由緒ある飯坂温泉、その上流にあるとっておきの奥座敷、穴原温泉。
飯坂温泉「鯖湖湯」 写真:ふくしまの旅 フォトライブラリより
飯坂温泉は古くから愛されてきた魅力的な温泉街で、文化やグルメスポットもめじろ押し! です。また、4月から5月にかけて桃の花が咲き誇る「飯坂温泉花ももの里」もすぐ近所にある、素敵なところです。
なお、全国的に昭和生まれの人が反応する(かもしれない)、マリリンモンロー似の女優さんが「聚楽(じゅらく)よん♡」とささやくTVCMの「ホテル聚楽」さんはここ飯坂温泉の老舗であり、今は日帰り入浴や女子旅にも大人気のお洒落なホテルとして有名になってます。
また、若冲展からの美術つながりでは、片岡鶴太郎さんの作品を集めた「片岡鶴太郎美術庭園」も飯坂温泉にありますので、ぜひご一緒にどうぞ♪
続いては、じゃらんの『全国温泉地満足度ランキング』にて、2017年・2018年と2年連続で満足度日本一に輝いた高湯温泉。全国でも有数の硫黄成分濃度の高さが自慢です。
そのふもとにある信夫温泉は『美肌の湯・若返りの湯』として名高く、高湯温泉と対を為すかのようなやわらかいアルカリ硫黄泉が魅力。
民芸品である「こけし」発祥の地とされる土湯温泉は、昔から変わらぬ良い泉質の温泉や民芸品、温泉街が今も楽しめるだけでなく、最近ではさまざまな先進的滞在スタイルの提案も盛んで、新しい温泉の楽しみ方を満喫できます! まさに、この地には「温泉のミライ」の可能性の卵がいっぱい詰まっているのです!
(関連記事:「進化する土湯温泉!新たな滞在スタイルを提案する注目の施設をご紹介」)
それだけでなく、この土湯温泉近隣にはたくさんの近隣にたくさんの温泉・秘湯を抱えてもいます。私が知るだけでも、野地温泉、新野地温泉、鷲倉温泉、幕川温泉、赤湯温泉などなど。すいません、福島県民である私でも全部は周り切れてません。温泉好きにはたまりませんね……。
そしてもう一つ、これらの温泉郷ともまた違う微温湯(ぬるゆ)温泉。湯温32℃の「含アルミニウム泉」という珍しい泉質です。
福島TRIPでも一度特集をした温泉で、高山植物が咲く山々に囲まれ、携帯の電波も通じない。まるで100年近くタイムスリップしたような雰囲気漂う、とっておきの秘湯なのです!
ただ、この秘湯は冬季営業をしておらず、毎年4月下旬からの営業再開となっているのでご注意を。
……と、ここまで挙げた温泉がすべて「福島市内」の温泉です。「県内」じゃないですよ?!「市内」。しかも、飯坂温泉や土湯温泉などの大きな温泉街にはたくさんの旅館やホテルも並んでいます。圧倒的じゃないか、わが市は!
あまりにも美味しい食の数々に舌鼓!
さて、こうなるとあとは美味しいものを探すだけですが、こちらもご安心ください! 福島市には、美味しいものがたくさんあります!
夏や秋にはたくさんの果物が実る福島市ではありますが、それ以外のグルメもちゃんと充実しているのです!
いきなりちょっとマニアックですが、福島市民は玉子が大好き。玉子購入額が、たしか全国1位であったはずです。
それを支える大きな要因の一つが、飯坂温泉発祥の「ラヂウム玉子」。飯坂温泉で昔、日本で初めてのラジウムが発見されたことにちなんで名づけられた温泉卵です。
(写真提供:阿部留商店)
……ただの温泉卵? いやいやいやいや! これが、侮ることなかれ。飯坂温泉の源泉で作り上げるラヂウム玉子は、芒硝泉特有のほのかな香りが絡んだ豊かな味わいになって、口当たりも風味も理想的な、本当に理想的な温泉卵に仕上がるのです! ちょっと一味違うのですよ。
福島市民はこの「ラヂウム玉子」が大好き! 温泉卵=ラヂウム玉子なのです。市外の人との会話の中で、ふつーに「ラヂウム玉子」と言って話が通じないこともご愛敬。
(写真提供:阿部留商店)
最近は、このラヂウム玉子の元祖である阿部留(あべとめ)さんが、昔ながらの包み紙デザインをTシャツにして売り出したところ、これが大ウケ! 通販などでもやたら売れている商品になってしまいました。
玉子といえば、土湯温泉も負けていません! こちらも源泉仕立ての温泉卵が美味しいのは言うまでもないのですが、私のイチ押しは、元祖半熟燻製たまごである「スモッち」。
やんわり、とろーり、じゅわぁ…っと旨味が広がり、ほんのり燻製風味。これもまた、あまりにも美味しくて美味しくて、たまりません。酒のアテにも最高です!
そして卵があれば当然、鶏もいます! たまごが先か、鶏が先か。福島市は、なんと両方まとめて美味しいのです!(笑)
福島市は県庁所在地として官公庁の拠点が集まるばかりでなく、かつては世界一の生産量であった日本の養蚕の主要集積地として支えてきた歴史もあります。日本銀行福島支店があるのも、そのころからの名残です。周辺の伊達郡は、養蚕の世界的な産地でした。
それはつまり、福島市は周辺地域や国内外からの人の行き来も盛んで、飲み屋さんも充実していたということ。現在は大きく数を減らしてしまったものの、かつてにぎわったたくさんの飲み屋さんで培われた食文化は、今も美味しく楽しまれています♪
そんな居酒屋の定番といえば、なんといっても「焼鳥」! 福島市は「日本7大ご当地やきとり」の一角をなす、焼鳥が全国レベルでイケている街でもあります!
福島市周辺の伊達郡では現在、3つ星レストランでも扱われているというブランド鶏「川俣シャモ」や「伊達鶏(だてどり)」といった、いまや世界的ともいえる高品質の鶏肉を生産しています。
かつての生糸のように福島市に集まってくるこれらの美味しい鶏肉が、福島市で長年培われてきた美味しい居酒屋文化で揉まれて融合し、もう! 実にたまりません!!
福島市内の焼鳥店の有名どころを挙げてみると、鳥安、陽風水、余市、萩、よね久、鶏けん、KONNO、こころ、鶏こう、吉鳥……、えっと、ごめんなさい。たぶんまだまだあるはず。
ちなみに「鳥安」さんの焼鳥は、駅前の中合(なかごう)百貨店の地下にお持ち帰り専門店がありますので、日帰りの方はぜひお土産にどうぞ♪
加えてもう一つ、飲み屋文化からの発展で有名なのは、これまた福島市名物の「円盤餃子」。
UFOのような円形に盛られた餃子は、各店ごとにさまざまな工夫がなされていて、これがもう! 絶品!! 有名どころだけでも、満腹、山女、照井、川鳥、餃子会館、たかのは、こはる、朴伝、ひたち、鳥政、おがた、丸福、いろは、みらく……、えっと、すいませんこれもまだまだたくさん……。紹介しきれてないお店さん、ゴメンナサイ。
日本に餃子が有名な都市は数々ありますが、福島市の円盤餃子もオススメです!
最後に、これらの絶品玉子や焼鳥、円盤餃子に合わせていただきたいのが、これまた福島市の酒。市内唯一の造り酒屋である「金水晶」さんの日本酒を、ぜひ飲んでみてください!
金水晶さんのお酒は、全国新酒鑑評会の金賞常連であるとともに、艶やかで華やか、ゴージャスにして透明感あふれ、その名前のように、まるで金や水晶がキラキラと煌めくかのようなイメージの、とてもとても美しい味わいなのです。まさに「美酒・福島」。
そのまま飲んでも美味しいのはもちろんなのですが。ちょっとこの子の特性というか。
……その酒を、そうですね、特に限定酒の金水晶特別純米「むろか生」や「なかどり」あたりを。おつまみには……、ええ、特に旨味成分、肉汁、脂などが強いモノと掛け合わせるとですね。
まるでそれらが3割増(※当社比)になったかと思うほど、口の中で旨味が弾け、ほとばしる!! のです。ですから、半熟卵のとろーり…としたコク、伊達鶏や川俣シャモの炭火で炙られ滴る脂の香ばしくも深い味わい、餃子から溢れ出るジューシーな肉汁……、これらがすべて、口の中でブーストされて、目が覚めるほどに激しく響き合う。ついつい、じゅるり…と何度もすすりたくなるほど美味しくなります!
これこそ、福島市民の幸せ……。もちろん、市民じゃなくてもゲストも大歓迎です! ぜひ、福島市にお越しの際には楽しんじゃってください♪
ちなみに、この金水晶「むろか生」「なかどり」など一般のお店ではなかなか購入できない限定酒は、福島市内の酒屋「越後屋」さんで購入できます。
地元民御用達のマニアックなスポットですが、ココは福島市内のたくさんの飲み屋さんに、おつまみとのペアリングを提案してお酒を納めている酒屋さんです。それは福島市の居酒屋文化のポテンシャルを最大限に生かしてくれているともいえる、いわば影の立役者。
福島の銘酒のみならず、全国の美味しい、そして入手困難なマニアックなお酒を正価で買うことができる(量販店だと人気のお酒にプレミア価格が上乗せされてしまっているケースがあるので、日本酒はこういう専門店のほうが安く買えるのです)お店ですので、一見の価値はあります! お酒のことがわからないときは、お店の方に相談するととっても気さくに優しく教えてくれますよ♪
ほかにも、お酒ならば福島駅西口の「コラッセふくしま」に行くと、福島の名産品が一堂に会した観光物産館もあるので、こちらもおすすめです!
あとは、一見普通のコンビニなのに「セブンイレブン東高成蹊高前店」に行くとなぜか珍しいお酒が揃っていたりもします。
まとめ
はい。というわけで、この春の福島旅行のおすすめとして、今回は福島市を改めてご紹介してみました。いやー、3つ挙げておきながらその紹介分量の比率の違いに、ワタクシの「花より団子」っぷりが雄弁に語られておりますね!(笑)
しかし、お花も美術品も本当に素敵ですので、ぜひぜひお誘い合わせの上、春の福島市にお越しくださいね♪