うまいラーメンを探して辿り着いたのが福島で随一の珍スポットだった
みなさん。突然ですが、UFOを信じていますか?
世界中で沢山の目撃情報があるという、未確認飛行物体。未知の宇宙人が円盤状の乗り物で、地球にたびたびやってきては、たいがい良からぬことをしているとかなんとか……。
そんなUFOの目撃談が多数あるというスポットがなんと、福島にあるのです!
そこは福島市から東へ向かった、あぶくま山系の旧・飯野町(現在は合併されて福島市飯野町)にある千貫森(せんがんもり)。森と呼ばれるものの、これは標高462.3メートルの山です。
この千貫森ですが…非常に整った円錐の形をしており、かなり遠くからでもその山だと判別できるような形状。昔から人工建造物説なども囁かれ、この近辺では不審な光? やUFO? の目撃情報も相次いでいるのだとか。
詳しくは、以前福島TRIPで前編後編にわたる長編で紹介されたこの記事を。
UFO目撃談多数!福島随一の珍スポット『UFOの里』を調査してきた(前編)
怖いですねー。恐ろしいですねー。まさにあなたの知らない世界……。
なんですかね、このテンション。夏も終わったというのにね。
ちなみにここまで引っ張っておきながらこういうのもなんですが…。
ぶっちゃけ私個人は、あんま信じてません。ごめんなさい。(何)
じゃあ、なんで今回わざわざ取り上げたのかって…実はですね。出るんですよ………。
美味しいラーメンが。
……ん?
ラーメン??
ええ、ラーメンです。この千貫森のふもとにある、「UFOの里」という観光施設内にある食堂のラーメンが、やたらと旨い!! と実は話題急上昇中なのです。
前回の記事ではノーチェックだったものの、なんだかメキメキと実力を発揮していて、最近はこのラーメンだけを食べにくるお客さんがかなり多いのだとか。
という訳で、早速行ってみましょう♪
実は月に1000杯以上も売れる人気ラーメン店
うぉぉ! 早速なんかいた!!
以前の記事でもこの子は紹介されてましたけれど、宇宙人のイメージって、いつの間にか昔のタコイカ星人みたいなクラゲみたいなイメージから、このグレイさんに変わりましたよね。なかなか素敵な笑顔でお出迎えしてくれてます。
※タコイカ星人イメージ図(画・林智裕。所要時間1分)
え? 若い人達はそもそもタコイカ星人のイメージなんて全然知らない? そうですか……。
ともあれ、ここから上がっていくと、
おお! なかなかに、お散歩にぴったりな雰囲気が。この季節ならではの秋の晴れ空は、やっぱり気持ちがいいですね。UFOとかラーメンとか関係なく単純に、秋のお散歩として来るだけでもオススメできる感じです。
少し歩くと、いよいよUFO物産館のラーメン屋さんに遭遇します。中に入ってみましょう☆
中に入るとさっそく、メニューが。
「今話題のダブル地鶏ラーメン 当店のおすすめは『飛び魚』or『塩』です」
「『ゴジてれChu!(※福島の人気ローカル番組です)で放映された』ピンカラ石ラーメン」
なんか、さすがUFOのパワースポット? だけあって、すごく力強いパワーワードが踊るというか。なんかラーメンの名店ならではの、中々見かけない専門用語? が多いというか……。そもそもピンカラ石ってナニ……?
※補足「ピンカラ石」というのは、千貫森の山頂近辺でゴロゴロと沢山とれる、叩くと金属的なカンカン、ピン、カラ、という音がする独特な石なのだそうです。この石がUFOを呼び寄せる? という説もあるとかないとか…
「飛び魚」いわゆる、あごだしですね。西日本ではメジャーとはいえ、この辺はあまり使われない稀な食材。美味しいものを作るために妥協しない姿勢を感じさせます。
「今話題のダブル地鶏」?? 地鶏という、その響きだけでもなんか特別感あって強そうなのに、それが、ダブル。ダブルZidori。つよい。ハイカラで、メガ級の美味しさなのですね、わかります。
そしてとどめに来ている、この「塩」。
ははぁ……。キタね、コレ。はいはい。理解した。
まるで物騒な実弾が飛び交うかのような殺伐とした数多くのパワーワードの直後に潜り込ませてきたこういう何気ないシンプルさこそが、一番油断してはならない罠であるのはお約束。
特に、百戦錬磨の兵(つわもの)どもが跋扈するラーメン業界のような戦場で「塩」という最もシンプルなものを勧めてくるというのは、アレだ。一周回って凄いというか、壮絶な修行の末に辿り着いた寡黙な達人の境地みたいな、良く聞く例の王道パターンに違いない!
けど、すぐ隣では「テレビで放映されました!」みたいなミーハーなテンション。ぜんぜん寡黙じゃないし……。
すわ! 実食!!
ともあれ! ほとばしる妄想はこの辺りにしておきましょう。さっそく、実食を。今回は、もっともシンプルな「塩」のダブル地鶏ラーメン(680円)を注文してみました!
この、シンプルながらも美しく整った佇まい。澄んだスープ。なんか、やっぱり美味しそう……。
まずは一口、スープを近づけて香りと味を楽しんでみると、あっさりしていながらも、ほのかな鶏ダシの香りが、ふわぁっと香ります。
このインパクトある強い香りと味わいこそ、まさしく福島が誇る「川俣シャモ」。そこに同じくブランド地鶏である会津地鶏のやや穏やかな香りと旨味が合わさって、絶妙のバランスになります。たぶんシャモだけではラーメンにするには少し香りも味もクセのように強く立ち過ぎるために、会津地鶏と合わせることでよりラーメン向きの味わいへと洗練されるのでしょう。
あまりにも香りや旨味が強い川俣シャモ。そういえば以前、テレビ番組でのTOKIOのラーメン企画の時にもスープの具材としての最終候補にまでなっていながらも、「ラーメン向きかどうか」という点で惜しくも採用の座を沖縄のアグー豚に譲っていたような。
もしかすると、そのときもこうして他の地鶏とブレンドさせていれば、実は課題は克服出来たのでは……? 実際このスープ、シャモの強い香りを残しながらも穏やかで調和の取れた味わいに仕上がってますし。
ただしこの調和、決して「薄めた」という感じではないのです。むしろ会津地鶏自体が非常に美味しい地鶏なので決して味が弱まる訳でもなく、しかしブレンドによってそれぞれの地鶏の良さがより引き出されて洗練され、味わいに艶や立体感が出てくるような感覚です。個々としてとても強い食材同士が出逢っての激しいパッションの末に完成された静寂というか、「上品な色気」のようなものを感じるのです。奥深い……。
麺をリフトしてあげてみると、香りの上品さに相応しい、こちらも品の良さが感じられる細麺。
思わず一気にススーーーーーっと啜ると、汁の香りが一気に花開くように立ちつつも、じゅわぁっとくる旨味とすっきりとした食感が全身に多幸感と共に心地良く沁みていきます。
……これ、ホント旨いよ!?
最近は胃腸が若い頃に比べて弱めになってきたけれど、このあっさりとしたラーメンなら結構ガツガツいける。淡泊なようでいて、後引く旨味と香り。次の一口がすすみやすい。なるほど、これは話題になるわけだー。
それにしても、見て下さいよ、この眺望。ラーメンを味わうばかりでなく、こんな絶景も一緒に楽しめちゃうんです。こりゃビールの一杯も飲みたくなりますよね。(実際には、ノンアルコールビールで我慢しました。ハンドルキーパー連れていく方がおすすめかも知れませんね。)
美味しくて、ついスープも飲み干してしまいました。普段、スープは残す派なんですが……。
まとめ
あっさり系ながらも深い、ダブル地鶏の味わい。私にとっては、未知との遭遇でした。
ラーメンは全国いろいろ、本当に沢山の人気店がありますが、このUFOの里のラーメンもなかなかに侮れません。なにより、福島の地元の美味しい地鶏をちゃんと生かしているのはポイント高いですね!お近くにいらっしゃるときには、ぜひ試してみては。
特に今回は、謎のピンカラ石ラーメンはまだ未体験ゾーン。次に訪れるあなたにも、UFOの里で未知との遭遇が待っているかも……?
おまけ
ラーメンを食べながら眺めていたお庭に出ると公園になっていて、パノラマ風景を楽しむこともできます。ご家族連れでも楽しんでみてくださいね。(*´▽`*)
UFO物産館 パノラマ食堂〒960-1303 福島県福島市飯野町青木小手神森1-299
8:00〜18:00(定休日:月曜)
024-562-4711