中川 雅美

世界に誇る川俣シルクの産地で、手織り体験からご当地グルメの川俣シャモまで楽しむ日帰り観光

伊達・桑折町・国見町・川俣町観光

旅のオアシス「道の駅」。なにしろ福島県内33か所もありますからね。このシリーズもまだまだ続きますよ~(^^)/ 今回ご紹介するのは、川俣町の「かわまたシルクピア」です。

 

川俣町は県庁所在地福島市の南西隣り、阿武隈(あぶくま)山地の山間にあります。阿武隈山系の集落では昔から養蚕がさかんに行われていましたが、中でもここ川俣は、江戸時代から絹織物の一大産地だったそうです。なので、道の駅の名前も「シルクピア」。

正確に言うと、敷地内には上の写真の「銘品館シルクピア」(物販)と農産物直売所のほか、織物の歴史や伝統技術を紹介する「おりもの展示館」、手織りや染色の体験ができる「からりこ館」があります。

 

すぐにできちゃう、コースター手織り体験にハマりそう

今回筆者のお目当て【その1】は、この織物体験でした。なんか、はた織りって一度やってみたかったんですよね。「からりこ館」に電話をすると、コースターなら30分ほどで織りあげられ、しかも大人数でなければ予約なしでOKとのこと。初心者には手軽に体験できそうなので、早速行ってみました。

入ると、明るい作業場にコースター用の小さな手織り機が3台、並んでいます。

 

すでに縦糸は張られているので、自分の好きな色あいのを選んで着座すると、指導員の方がていねいに説明してくれます。縦糸と横糸の組み合わせでいろんな模様ができるのは、原理としては分かっていましたが、平織りと綾織りは縦糸の取り方がこのように違うのかぁ。これは面白い!

 

筆者は最もシンプルな平織りで作ることにしました。昔話の絵本で見たような大きな機織り機は、足で縦糸の操作をしますが、この小さな織り機はすべて手で行います。作業自体はシンプルですが、糸の引っ張り具合がポイント。その加減に慣れてくると、意外にサクサクと織れていきます。

 

説明を入れても約30分で13センチほど織れました。房を1センチあまり残し、チョキチョキとはさみで切って出来上がり!アイロンをして袋に入れてお持ち帰りです。なんか、すてき!

 

これで体験料は1人500円。きれいだし、楽しいし、別の織り方もやってみたいし。せっかくだからもう1,2枚作りたいなーと思いましたが、時間の関係で次回のお楽しみに。なんかハマりそうな予感がします(笑)

ちなみに、もう少し大きなものを織りたい場合は、半日程度でランチョンマットなども作れるそうです(要予約)。さらに本格的な織物や草木染などは、定期的に体験教室も開かれているので、ぜひ問い合わせてみてください。

いつか、こんなタペストリーも織ってみたいなぁ・・・

 

上質な川俣シルクの手ざわりにうっとり・・・

筆者が織ったコースターはもちろん綿ですが、もともと川俣が有名なのはシルク。シルクのスカーフといえば、昔は横浜から海外に輸出されて有名だったのをご存知の方も多いのでは。一時は世界シェア8割を誇ったというその「横浜スカーフ」の生地は、実はここ川俣産のものが半分近くを占めていたそうです。

その辺の歴史を知るには、「からりこ館」の隣の「おりもの展示館」に行ってみましょう。

 

入ってすぐ目に入る展示は、町内の老舗・斎栄織物が開発した「フェアリーフェザー(妖精の羽)」。触ってみると、うわーほんとにカゲロウの羽のよう。先染めの絹織物としては世界一薄いんだそうです。その糸の細さ、なんと8デニール!

 

といわれてもよく分かりませんが、髪の毛のおよそ6分の1だとか。館内に糸の細さを比べた展示がありました。どれだけ極細か、わかりますか?

 

近年、化学繊維に押され気味だった川俣シルクですが、このフェアリーフェザーで、ふたたび海外でも注目を集め始めているそう。2012年には「ものづくり日本大賞」最優秀賞も受賞しました。ちなみに、この「妖精の羽」を使ったスカーフなどは、隣の「シルクピア銘品館」でも販売しています。

 

他にも展示館の中は川俣シルクの歴史資料がいっぱいです。

 

織りによって風合いが異なる生地見本も、実際に触ってみることができます。やっぱり、シルクっていいわぁ・・・(^^)

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