福島の檜枝岐村から行く尾瀬!初級者でもハイキングが楽しめる尾瀬沼一周コース
本州で2番目に大きい福島県は、周辺6つもの県と接しています。北は宮城と山形。南は栃木と茨城。そして西は新潟と群馬。その群馬県との境にあるのが、あの尾瀬国立公園です。日本で唯一、車で越えられない県境だそうで、マニアの間ではちょっと有名らしいです。
「夏がく~れば思い出す~」と歌われた遙かな尾瀬。行ったことはなくても、水芭蕉やニッコウキスゲが咲き誇る美しい湿原の写真を見たことのある人は多いでしょう。有名な尾瀬ヶ原へのアプローチ起点・鳩待峠があるのは群馬側なので、尾瀬といえば群馬県のイメージが強いかもしれません。
▲7月下旬がシーズンのニッコウキスゲ(尾瀬保護財団ウェブサイトより)▲
でも、福島県側にも尾瀬への玄関口があるんですよ。それが檜枝岐村(ひのえまたむら)です。今回筆者は、檜枝岐歌舞伎を見るため片道3時間以上かけてこの村を訪れましたが、ここまで来て尾瀬を歩かずに帰るなんて!ということで、初級者でも比較的歩きやすい尾瀬沼一周コースに挑戦してみました。
初級者にもオススメ、尾瀬沼ハイキング
国立公園内はマイカーでのアクセスは制限されています。村の中心から20分ほど走ると、尾瀬御池ロッジがある御池(おいけ)駐車場に到着。ここで全員シャトルバスに乗り換えて、散策の起点となる沼山峠へ向かいます。
途中、ブナの天然林が広がるフォトスポットで運転手さんがバスを止めてくれました。「ブロッコリみたいでしょう」という説明にほっこり (^^)
沼山峠からいよいよ歩き始めます。尾瀬沼を一周して戻ってくる約7時間のコース(休憩含む)。基本的には木道が整備されているので歩きやすいですが、途中は足場の悪いところもあるため、登山靴は必須です。
しばらくは木立の中をゆるやかに上り、その後はずっと下りです。
1時間ほどで視界が開け、大江湿原に出ます。1ヶ月早ければニッコウキスゲが満開だったでしょうね。
でも他にも高山植物はたくさん咲いています。地味だけどかわいい花々を愛でながら、尾瀬沼ビジターセンターを目指します。
ここは尾瀬ですよ、という看板を過ぎると・・・
ほどなくビジターセンターに到着。長蔵小屋という宿泊施設には食堂があり、隣には売店もあります。でもまだお腹がすいていなかった私たちは、トイレ休憩のみですぐ出発。
木立の中から尾瀬沼を覗きつつ、森林浴しまくり(笑)。
まもなく、絶景フォトスポットに到着です。尾瀬沼の向こうにそびえる燧ヶ岳(2356m)。東北で一番高い山が福島県にあるって、県民としてはなんとなく誇らしい気分(笑)。こんな日は登山している人もたくさんいるんだろうなー。
ビジターセンターから30分ほどで、三平下の尾瀬沼休憩所に到着です。実はここ、群馬県です。県境線は尾瀬沼の真ん中に引かれているんですね。休憩所内のパンフレット類も群馬県のものになってました。
ここで私たちはお昼にしました。お宿で作ってもらった梅おにぎりのおいしいこと!^^ そして、ここに来たらぜひ食べてほしいのが、花豆ジェラート。あずきのようなコクのあるアイスクリームが、ソフトクリーム状に絞り出されてくる逸品ですw
お腹が満たされたところでハイキングを再開。次は沼のちょうど反対側、沼尻を目指します。ここから先は、木道が一部朽ちていたり、岩場を歩いたりすることが増えます。そこそこアップダウンもありますので、ゆっくりいきましょう。
1時間余り、フィトンチッドを浴びながらもくもくと歩くと、沼尻に到着。ここの休憩施設はとても新しく、自動販売機まであるので驚きました。ヘリコプターで運んできたそうです。
ここでしばし、尾瀬沼を眺めながら休憩。時計は午後1時半すぎです。近くの池にちょうどヒツジグサが咲いていると教わり、見に行きました。下の写真の白いかわいい花、見えますか?未(ひつじ)の刻、すなわち午後2時ごろに開花するんだそうです。
さて、尾瀬沼一周も残すところ三分の一ほど。ここからの道は木道もきれいで比較的歩きやすく、余裕をもって景色も楽しめました。
再びビジターセンターに戻って小休止したら、もと来た道をたどってシャトルバスの待つ沼山峠へ。最高のお天気に恵まれ、尾瀬を満喫した一日でした!
時間と体力が心配な方は、ミニ尾瀬公園へ
尾瀬国立公園はとても広く、本格登山から今回のような比較的平坦なハイキングコースまで、いろいろなルートが用意されています。ただし、アップダウンはあまり厳しくなくても結構な距離を歩くことになりますので、一定の脚力は必要です。
それほどの体力も時間もないんだけど・・・という方。檜枝岐村中心から車で5分ほどのところに、「ミニ尾瀬公園」がありますよ。
バリアフリーの園内は、湿原エリア・山野草エリア・ロックガーデンと3つのゾーンに分かれ、尾瀬の自然が再現されています。
園内には尾瀬の写真を集めた写真美術館もあり、一般人は立ち入れない真冬の尾瀬の表情なども見ることができます。
そして、ミニ尾瀬Caféのテラスでは燧ケ岳を臨みながら一服できますよ。筆者は「尾瀬の自然水ゼリー」と、おとなり南会津町の特産「南郷トマト」のジュースをいただきました。
ほんのり甘くて透明なゼリーには、栃みつと青きなこがかかってます。美味かつヘルシー♪
疲れた身体を癒す極上の檜枝岐温泉
ハイキングの後はもちろん温泉です。檜枝岐村には3つの公共の湯があり、泉質も違います。私たちは、尾瀬から帰ってくるといちばん手前にある「燧の湯」に行きました。
硫黄泉ですがお湯は無色透明。熱すぎずヌルすぎず、なんとも肌触りのいいお湯です。舟岐川を臨む露天風呂は、渓流のせせらぎと緑に癒されながら、いつまででも浸かっていたい気持ち良さでした(写真とれなくてすみません、公式サイトで見てみてね)。
まとめ
福島県の最奥にあり、1年の半分は雪に閉ざされる福島県檜枝岐村。一般のハイカーがここを拠点に尾瀬へ入れるのも、御池からのシャトルバスが運行される5月下旬から10月末までです。9月半ばには紅葉もスタート。短い尾瀬のシーズン、ぜひ福島県側からアプローチして檜枝岐温泉とともにお楽しみください。
尾瀬檜枝岐温泉観光協会0241-75-2432
燧の湯福島県南会津郡檜枝岐村 檜枝岐村上ノ台208-1
0241-75-2290
http://www.oze-info.jp/spot/hiuchinoyu/
※営業時間や料金はホームページでご確認ください。
ミニ尾瀬公園福島県南会津郡檜枝岐村字左通124-6
0241-75-2065
http://www.oze-info.jp/spot/minipark/
※開館期間は4月下旬~11月中旬。開館時間や入場料などはホームページでご確認ください。