道の駅「伊達の郷りょうぜん」の伊達鶏づくしメニューがこれまでの常識を覆すほど美味い
道の駅めぐり、楽しいですよね。4年半前、筆者が東京から福島に引っ越してきたころの県内の道の駅の数は26か所。よし、これをすべて踏破しよう!と気軽に目標を立てたわけです。
ところが、福島県は想像を超える広大さ(本州で2番目に大きいって知らなかった)。日帰りではかなり厳しいところも多く、10か所を超えたあたりからだんだん心が折れ始めました。その間にも次々新しい道の駅が完成し、なんと2018年5月時点では33か所に!踏破の夢はさらに遠のき……
出典:https://www.michieki.jp/pref/fukushima/
いや、これではいかん。福島TRIPで紹介するという「目的」を持てば、きっとモチベーションが維持できる!という少々ヨコシマな動機(だけじゃないですよ)で、2018年3月24日オープン、県内最新の道の駅「伊達の郷りょうぜん」(伊達市)を取材させてもらうことにしました。
と、そこへ編集長から、「じゃ特産の伊逹鶏のことも書いて」というオーダーが。
実はワタクシ、鶏のあの独特の臭みと歯ざわりがイマイチで、あまり好物とは言えません。好きでないものは知識もありません。伊達市の特産といえば、あんぽ柿でしょ?桃でしょ?そんなブランド鶏あったのかぁ……でも食べずにレポートできないしなぁ……と一瞬ひるみました。しかし、編集長命令は絶対です。
「宿場ビストロ」を名乗る「伊達の郷りょうぜん」には、その名も「だて食庵」というレストランがあり、ウェブサイトでメニューを見ると「伊達鶏」の文字がありました。よし、いくぞ!取材は常に体当たりで臨むべし!
と、ここまでかなり大げさな前振りでしたが、以下、筆者の鶏イメージを一変させてくれた「だて食庵」伊達鶏メニューの食レポを中心にお届けします。
和洋中そろった充実の伊達鶏メニュー
やってきました、「伊達の郷りょうぜん」。オープンから40日目でなんと来場者30万人を突破!という大人気です。目の前には、できたばかりの東北中央道(相馬福島道路・無料区間)の霊山(りょうぜん)インターがあります。
まずはレストラン「だて食庵」に直行。実際のメニューを広げてみると、さすが、伊達鶏のオンパレードです。パスタやシチューもある!事前のリサーチによると、「伊達鶏窯飯」が当店一押しということでしたが、残念ながらこの日は12時半からの提供とのこと。お腹を空かせて11時の開店と同時に入った筆者は、鶏料理の正統派(と思われる)唐揚げ定食(880円)の食券ボタンを押しました。
そして出てきたのがこちら。
はふ、はふ、はふ。たしかに、揚げたてアツアツはなんでもおいしい。でも、それだけじゃありません。なんと、あの「鶏くささ」がない。ブリっとした変な硬さも、逆にフニャっとした気持ち悪さもない。ふだんあまり食レポを書かないので語彙が貧弱で恐縮ですが、いわゆる「ジューシーな肉」というのはこれを言うのかと思いました。うん、これなら食べられる。というか、また食べたい!
この「伊達鶏」とは、指定生産農家さんが規定の方法で飼育したものだけを指します。特別配合の飼料には抗生物質を使わず、また坪あたりの羽数を通常より少なくして、ゆったりとした環境で育てているそうです。(詳しい定義は、「伊達とり倶楽部」のホームページをご覧ください)。
後でパンフレットを読むと、「ブロイラーでは柔らかすぎて物足りない。でもシャモやカシワは少し固すぎる…。そんな声にお応えするのが伊達鶏です」。なるほど~!臭みを感じないのも、きっとこの育て方の違いによるのではないでしょうか。
「だて食庵」の一押しメニューは伊達鶏釜飯
世の中の鶏嫌いを変心させる威力を持った伊逹鶏。やっぱり一押しメニューの伊達鶏釜飯(890円)を食べずして、この記事を書くわけにはいきません。日を改めてリベンジしました。この日も、お昼時の「だて食庵」はほぼ満席。食券を買ってカウンターで渡すと、「釜飯は20分ほどお時間を頂戴します」とのこと。もちろん待ちますとも!周りのテーブルを見ても、やはり釜飯比率高し。そのほか伊達鶏ラーメンも人気のようです。
そして20分後、釜のふたをとる瞬間がやってきました。
んー炊きたての芳ばしい匂い♡ ふたたび伊達鶏さん、こんにちは。いただきます。
今回は照り焼きです。そう、釜めしですが、照り焼きが上に載っています。肉がしっかりと味をまとっています。たしかに固すぎず、柔らかすぎず、絶妙。苦手な皮も脂っこくなく、おいしく食べられます。そして釜飯でうれしいのは、このおこげ!20分待つ甲斐は十分にありました。
最後はだし汁をかけてお茶漬け風に。大満足。伊達鶏取材を命じてくれた編集長、ありがとう!
あれも食べたい、これも買いたい!リピート必至の品ぞろえ
伊達鶏を使った料理は、もちろん「伊達の郷りょうぜん」以外でも食べることはできます。
「伊達鶏」をメニューに掲げているお店は福島市内や郡山市内でも見かけますし、首都圏にも流通しているそうです。が、大量生産はできないため、流通量も限られています。から揚げ、釜飯からラーメン、パスタまで、これほどバラエティに富んだ伊達鶏メニューを常時提供しているのは、やはりこの「本場」、伊達市の道の駅オンリーと言えるようです。
そして、伊達鶏の加工品も豊富です。
かつお節のように見えるこちらも、なんと乾燥させた伊達鶏のムネ肉を削ったもの!いいダシが出そうですねぇ~♪
伊達市の特産はもちろん他にもたくさんあります。冬のあんぽ柿、夏の桃はもちろん、春の注目はイチゴ。いまやクリスマスシーズンに合わせて冬にハウス栽培されるイチゴですが、本来のシーズンは4~5月なんだそうです。
農産物直売コーナーには、5月末時点でも真っ赤ないちごが並んでいました。そのイチゴをまるごと1個包み込んだ「いちご大福」はじめ、「いちごサイダー」「いちごクランチ」「苺のワッフルクッキー」などなど、イチゴ好きにはたまらない商品の数々。道の駅限定のものもありましたよ。
▲いちごサイダー▲
▲道の駅限定商品▲
他にも、かわいいケーキが並ぶ「Café de Repos」、塩バターパンが人気の「りょうぜんパン工房」、いろんなフレーバー餡が楽しい「つきたて餅 福月」、別棟のフードガーデンには、うどんや牛タン焼、ジェラートもあって、1日ではとても食べ切れません!道の駅「伊逹の郷りょうぜん」はリピート必至の「宿場ビストロ」なのでした。
まとめ
道の駅の魅力は、なんといっても他所では手に入らない地のモノが豊富にそろっていることでしょう。福島県内最新の道の駅「伊逹の郷りょうぜん」で、伊達鶏をはじめとする「伊達食」をぜひ堪能してみてくださいね。
道の駅「伊達の郷りょうぜん」福島県伊達市霊山町下小国字桜町3-1
024-573-4880
おまけ
道の駅のフードガーデンに出店しているジェラート屋さん「まきばのジャージー」は、実はスイーツ好きの間では以前から有名なお店。本店は、道の駅から車で20分ほど走ったところ、伊達市のシンボルともいえる霊山(りょうぜん)のふもとにあります。「こんなところに?」というロケーションですが、濃厚なソフトクリームと季節のフレーバーが楽しめるジェラートを目当てに、わざわざ食べに来る人が絶えないお店です。
今回道の駅には初出店ということですが、道の駅店での提供は現在のところジェラートのみ。筆者はやはり、ソフトクリーム&ジェラートの贅沢なコンビ(ワッフルコーン350円)を求めて、本店まで走ってしまうのでありましたー。
まきばのジャージー(本店)福島県伊達市霊山町石田字川面1-1
024-589-2375
08:30~17:30(※冬季は~17:00)